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広島大学 2018年度 前期理系数学 第5問

座標平面上の曲線C:y=x33xと、条件b>a33aを満たしながら動く点 P(a,b) を考える。

P に対し、二つの不等式xa1,yb1で表される正方形領域を B とする。BC が共有点 Q をもち、共有点が B の境界線上にしかないとき、BC は点 Q で接するということにする。次の問いに答えよ。

(1) 曲線 C の概形を描き、さらにP=(2,3)のときの領域 B を図示せよ。

(2) BCx<1 の範囲の点で接するように P が動くとき、点 P の軌跡を求めよ。

(3) BC がある点で接するように P が動くとき、点 P の軌跡を求めよ。

(4) (3) の軌跡は、ある関数y=f(x)のグラフで表せる。この関数は x=0 で微分可能であることを示せ。

難易度8/ 10計算量7/ 10目安28

微分図形と方程式 グラフの概形軌跡、場合分け、範囲評価

方針

領域 B は中心 (a,b),上下左右に1だけ離れた正方形である。P が曲線の上側にあるので,接する条件は区間 [a1,a+1] 上の x33x の最大値が b1 に等しいこととして扱える。最大値を端点と極大点 1 で比較し,軌跡を場合分けで求める。

解答

(1)
y=x33x とおくと,y=3x23=3(x1)(x+1) である。したがって x=1 で極大値 2x=1 で極小値 2 をとる三次曲線である。

P=(2,3) のとき,領域 B3x1,2y4で表される正方形である。

(2)
接点の x 座標を s とする。s<1 で接するとき,曲線はその付近で増加しているので,正方形の下辺の右端側で接する。したがってa=s1,b=(s33s)+1である。s<1 より a<2 であり,s=a+1 としてb=(a+1)33(a+1)+1=a3+3a21を得る。よって点 P=(a,b) の軌跡はy=x3+3x21(x<2)である。

(3)
g(x)=x33x とおく。P=(a,b) に対して,BC が接する条件はb=1+maxa1xa+1g(x)である。g(x)1 で極大値 2 をとり,端点での値はg(a1)+1=a33a2+3,g(a+1)+1=a3+3a21である。これらを比較すると,軌跡は次の関数のグラフで表される。y=f(x)={x3+3x21(x2),3(2x0),x33x2+3(0x23),x3+3x21(23x).(4)
(3)より,x=0 の左側では f(x)=3,右側では f(x)=x33x2+3 である。したがってlimx0f(x)f(0)x=0,limx0+f(x)f(0)x=limx0+(x23x)=0である。左右の微分係数が一致するので,y=f(x)x=0 で微分可能である。

別解

解法2

方針

正方形の底辺の高さ b1 が、幅2の区間 [a1,a+1] における g(x)=x33x の最大値に一致すると考える。最大値の候補を左端・右端・極大点 1 の3つに絞り、その上包絡線として軌跡を作る。

解答

(1) g(x)=x33xとおくとg(x)=3(x1)(x+1).したがって x=1 で極大値 2x=1 で極小値 2 をとる。

P=(2,3) のときB={(x,y)3x1, 2y4}.この正方形は曲線と (1,2) で接する。

(2)

接点の x 座標を s<1 とする。この範囲で g は増加しているので、区間 [a1,a+1] 上の最大値は右端 s=a+1 でとる。接点は正方形の下辺上にあるからb1=g(a+1).よってb=1+(a+1)33(a+1)=a3+3a21.また a+1<1 より a<2 である。したがって軌跡はy=x3+3x21(x<2).(3)

一般に接する条件はb=1+maxa1ta+1g(t).最大値の候補は、区間の両端と、区間内に入るときの極大点 t=1 である。3つの候補はR(a)=1+g(a+1)=a3+3a21,L(a)=1+g(a1)=a33a2+3,M=1+g(1)=3.a2 では区間全体が 1 の左側にあり、g は増加するので最大は R(a) である。

2a0 では区間が 1 を含み、両端の値も M=3 以下だから最大は M である。

a0 では極大点は区間に入らず、両端を比較すればよい。差はL(a)R(a)=46a2.したがって0a23では L(a)a23では R(a) が最大である。

以上よりf(x)={x3+3x21(x2),3(2x0),x33x2+3(0x23),x3+3x21(23x).(4)

x=0 の左側では f(x)=3、右側ではf(x)=x33x2+3.また f(0)=3 で連続である。左右の差商はlimx0f(x)f(0)x=0,limx0+f(x)f(0)x=limx0+(x23x)=0.両者が一致するので、fx=0 で微分可能である。

総評

難度8,計算量7。想定時間は28分程度。正方形と曲線の接触を,幅2の区間上における曲線の最大値として捉える発想が必要である。極大点と両端の値の比較で場合分けを作り,最後に接続点での微分可能性を左右から確認することが採点上の山場である。 別解では最大値候補 (L,R,M) の上包絡線として全軌跡を組み立て、元の曲線・正方形と軌跡の2図で場合分けの意味を可視化した。

冊子PDFで見る広大の微分の問題で問題集を作る

出典: 広島大学 2018年度 前期 理系数学 第5問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。