方針
正方形内で放物線より下にある面積を A(k) とする。放物線が上辺 y=1、下辺 y=0 と交わる位置を求め、正方形内に残る縦の長さを場合分けして積分する。
解答
正方形内で放物線より下にある部分の面積を A(k) とする。条件はA(k)=21である。
k>0 の場合
上辺との交点は x=0,2/(3k)、下辺との正の交点は x=1/k である。
0<k≦2/3 では A(k)=1 である。また 2/3<k≦1 ではA(k)=3k2+∫2/(3k)1(1+2kx−3k2x2)dx.この範囲では A(k) は減少し、A(k)≧A(1)=2723>21だから解はない。
k>1 ではA(k)=3k2+∫2/(3k)1/k(1+2kx−3k2x2)dx=27k23.したがって27k23=21よりk=2746.k<0 の場合
K=−k>0 と置くと放物線は y=1−2Kx−3K2x2 で、下辺との交点は x=1/(3K) である。
0<K≦1/3 ではA(k)=∫01(1−2Kx−3K2x2)dx=1−K−K2≧95>21.K>1/3 ではA(k)=∫01/(3K)(1−2Kx−3K2x2)dx=27K5.よって27K5=21から K=10/27、すなわちk=−2710を得る。以上よりk=2746, −2710である。
単位正方形内では、曲線を上辺・下辺で切って面積を数える
別解
解法2
方針
u=kx と置くと曲線は y=1+2u−3u2 という1本の固定放物線になる。正方形内に入る高さの累積面積を先に求め、横方向の倍率 1/∣k∣ を掛ける。
解答
p(u)=1+2u−3u2と置く。正方形内で曲線より下の縦の長さは、p(u) を 0 と 1 の間に切った値である。
k>0 の場合p(u)≧1(0≦u≦2/3),0≦p(u)≦1(2/3≦u≦1)で、u≧1 では p(u)≦0 である。k>1 なら u=kx よりA(k)=k1{∫02/31du+∫2/31p(u)du}=27k23.これを 1/2 と置くと k=46/27>1 を得る。0<k≦1 では、上の切られた高さの平均は A(1)=23/27 以上なので解はない。
k<0 の場合
K=−k と置く。負の側では0≦p(u)≦1(−1/3≦u≦0),p(u)≦0(u≦−1/3).K>1/3 ならA(k)=K1∫−1/30p(u)du=27K5.これを 1/2 と置くと K=10/27>1/3、すなわち k=−10/27 となる。0<K≦1/3 では高さの平均は 5/9 以上なので解はない。
したがってk=2746, −2710である。
総評
放物線を単位正方形の上辺・下辺で切って面積を数える問題である。目安時間は28分。曲線をそのまま 0 から 1 まで積分してはいけない。符号ごとの交点順序と、得た値が各場合の範囲に入ることを2解法で確認した。
冊子PDFで見る北大の積分の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 1983年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。