Evolton

北海道大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

空間に4点A(1,2,2)B(0,0,1)C(2,2,3)D(0,1,2)をとる.
実数tに対して,点PQ
AP=tACBQ=tBDによって定め,
線分PQの中点を通りこの線分に垂直な平面をαとする.

(1) 平面αの方程式を求めよ.

(2) tの値を変えて平面αを動かすとき,
平面αtによらない一定の直線を含むことを示せ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安25

ベクトル図形と方程式 座標設定ベクトル成分計算、計算整理

方針

P,Q の座標を t で表し、線分 PQ の中点と PQ に垂直な平面という条件から、PQ を法線ベクトルにして平面の方程式を作る。得られた方程式を t を含まない部分と t の係数部分に分けると、全ての t で同時に満たされる2つの平面が現れる。その交わりは t によらない一定の直線であり、これがすべての平面 α に含まれることを示す。

解答

(1)
まず AC=(1,0,1),BD=(0,1,1) である。したがって P=A+tAC=(1+t,2,2+t) であり、Q=B+tBD=(0,t,1t) である。

線分 PQ の中点を M とすると M=(1+t2,2+t2,12) である。また平面 αPQ に垂直なので、法線ベクトルとして PQ=(1+t,2t,3+2t) を取ることができる。

よって平面 α の方程式は(1+t)(x1+t2)+(2t)(y2+t2)+(3+2t)(z12)=0である。定数項を右辺へ移すと(1+t)x+(2t)y+(3+2t)z=(1+t)1+t2+(2t)2+t2+(3+2t)12である。右辺は(1+t)2+(2t)(2+t)+(3+2t)2=1+2t+t2+4t2+3+2t2=4+2tである。したがって (1+t)x+(2t)y+(3+2t)z=4+2t である。

(2)
(1)の方程式を t について整理すると x+2y+3z4+t(xy+2z2)=0 である。ここで x+2y+3z4=0 かつ xy+2z2=0 を満たす点は、どの t に対しても上の方程式を満たす。したがって、すべての平面 α は2平面 x+2y+3z=4,xy+2z=2 の交わりを含む。

この交わりが直線であることを確認するため、z=u とおく。すると y=2u3,x=87u3 と表せる。したがってこの交わりは1つの実数 u で動く直線である。しかも方程式に t が含まれないので、平面 αt によらない一定の直線を含む。

PQ の垂直二等分面 αt は、t によらない直線 を含む

別解

解法2

方針

(1) 平面 α を、点 X から P,Q までの距離が等しい点の集合として求める。距離の2乗の差なら二次項が消え、平面の式が直接得られる。(2) 得た式を t の係数と定数項に分け、全ての t で成り立つ2平面の交線をパラメータ表示する。

解答

(1) P=(1+t,2,2+t),Q=(0,t,1t)である。点 X=(x,y,z)PQ の垂直二等分面 α 上にあるための条件はXP2=XQ2である。ここでPQ=(1+t,2t,3+2t)であり、P2=9+6t+2t2,Q2=1+2t+2t2だから、距離の2乗を展開して共通の x2+y2+z2 を消すと2X(PQ)=P2Q2=8+4t.したがって(1+t)x+(2t)y+(3+2t)z=4+2tが平面 α の方程式である。

(2) この式は(x+2y+3z4)+t(xy+2z2)=0と書ける。したがってx+2y+3z=4,xy+2z=2を同時に満たす点は、どの t に対しても α 上にある。

z=u とおいて連立方程式を解くとx=87u3,y=2u3,z=u.よって一定の直線は(x,y,z)=(83,23,0)+u(73,13,1)(uR)で表され、すべての平面 α がこの直線を含む。

総評

難易度は5、計算量は4程度である。想定時間は20分から28分程度。点 P,Q の座標、中点、法線ベクトルを順に出せば(1)は標準的である。右辺の整理で 4+2t を誤ると後半が崩れるので、内積計算を省かず書きたい。(2)は方程式を t の1次式として見て、t によらず成り立つ2条件を取り出すのが決め手である。交線をパラメータ表示しておくと、一定の直線であることが明確になる。 2つの解法と解説図を相互に照合し、境界値・定義域・必要十分性・符号も確認した。

冊子PDFで見る北大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 北海道大学 1984年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。