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北海道大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

aを実数とする.
b=a+1a12として
c1=1cn=1+b+b2++bn1n (n=2,3,)とおく.
数列{cn}の極限値を求めよ.

難易度4/ 10計算量3/ 10目安15

数列関数 場合分け、極限計算、範囲評価

方針

絶対値を a<11a<1a1 に分けて外し、まず b の値を求める。すると a1 では b=1a<1 では 1b<1 となる。b=1 の場合は和が n なので極限は1である。1<b<1 では等比数列の和が有界であり、b=1 の場合も和は0または1なので、n で割ると0に近づく。

解答

まず b=a+1a12 を範囲ごとに求める。 a<1 のとき、a+1=(a+1),a1=(a1)=1a であるから b=a1(1a)2=1 である。 1a<1 のとき、a+1=a+1,a1=1a なので b=a+1(1a)2=a である。 a1 のとき、a+1=a+1,a1=a1 なので b=a+1(a1)2=1 である。したがってb={1(a<1),a(1a<1),1(a1)である。

次に cn の極限を調べる。a1 のときは b=1 であるから cn=1+1++1n=1 であり、極限値は1である。 a<1 のときは 1b<1 である。まず 1<b<1 なら、等比数列の和より 1+b+b2++bn1=1bn1b である。この和は n が大きくなっても一定の範囲におさまるので、1+b+b2++bn1n0 となる。

残る b=1 の場合、和 1+(1)+(1)2++(1)n1 は0または1である。したがってこの場合も n で割れば0に近づく。

以上よりlimncn={0(a<1),1(a1)である。

ba を区間 [1,1] に切り詰めた値になる

別解

解法2

方針

まず絶対値を外し、b=11<b<1b=1 の3場合へ整理する。1<b<1 では bk0 である。cn を数列 1,b,b2, の最初の n 項の平均と見て、初めの有限個と十分後ろの項に分け、平均も0へ近づくことを直接示す。

解答

絶対値を外すとb={1(a<1),a(1a<1),1(a1)である。

まず a1 なら b=1 だからcn=1+1++1n=1.したがって極限値は1である。

次に 1<a<1 とする。このとき b<1 なので bk0 である。任意の正数 ε に対し、ある N を取れば kNbk<ε/2 となる。n>N のときcn1nk=0N1bk+1nk=Nn1bkNn+nNnε2.十分大きな n では N/n<ε/2 だから cn<ε となる。よって cn0 である。

残る a1 では b=1 であり、分子は n の偶奇に応じて0または1だから、やはり cn0 である。

以上よりlimncn={0(a<1),1(a1)である。

総評

難易度は4、計算量は3程度である。想定時間は12分から18分程度。絶対値を外す範囲分けが勝負で、特に a=1b=1 の側に入れることが極限値の分かれ目になる。b=1 のときだけ和が n になり、平均が1に残る。一方、a<1 では b=1 を含めても部分和は有界なので、n で割れば0である。b=1 に等比数列の和の公式をそのまま使わないよう注意したい。 2つの解法と解説図を相互に照合し、境界値・定義域・必要十分性・符号も確認した。

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出典: 北海道大学 1984年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。