方針
まず a=cosθ+sinθ の範囲を三角関数の合成で求める。次に sin2θ=a2−1 を用いて直線を y=2ax−a2、0≦a≦2 の1変数族にする。点全体の集合は、固定した x に対して2次式 2ax−a2 が取り得る値の範囲を調べ、端点と頂点の位置で場合分けして図示する。
解答
(1)
三角関数を合成すると a=cosθ+sinθ=2cos(θ−4π) である。0≦θ≦43π より −4π≦θ−4π≦2π である。この区間で cos の値は 0 から 1 までをすべて取るので 0≦a≦2 である。
(2) a2=(cosθ+sinθ)2=1+sin2θ だから 1+sin2θ=a2 である。したがって直線 lθ は y=2ax−a2(0≦a≦2) と表される。
固定した x に対し g(a)=2ax−a2 とおく。これは a について上に凸ではなく、下に開く2次式で、頂点は a=x にある。a の範囲は 0≦a≦2 であるから、最大値は頂点が範囲内にあるかどうか、最小値は端点 a=0,2 の比較で決まる。
端点での値は g(0)=0,g(2)=22x−2 である。 x<0 のとき、g(a) は範囲内で減少するので 22x−2≦y≦0 である。 0≦x≦21 のとき、頂点 a=x は範囲内にあり、最小値は g(2) である。よって 22x−2≦y≦x2 である。 21≦x≦2 のとき、頂点 a=x は範囲内にあり、最小値は g(0) である。よって 0≦y≦x2 である。 x≧2 のとき、g(a) は 0≦a≦2 で増加し、最大値は g(2)、最小値は g(0) である。よって 0≦y≦22x−2 である。
以上より、境界は直線 y=0、直線 y=22x−2、および 0≦x≦2 の放物線 y=x2 である。図示すると、これらの境界で挟まれた領域全体が D であり、x=21 で直線 y=22x−2 と x 軸の上下関係が入れ替わる。
別解
解法2:平方完成して直線族の通過範囲を求める
方針
三角関数の合成で a の範囲を求め、直線族を y=2ax−a2 に直す。さらに y=x2−(a−x)2 と平方完成し、a−x が動く区間で平方の最小・最大を調べて、固定した x に対する y の範囲を得る。
解答
(1) a=2cos(θ−4π).−4π≦θ−4π≦2πなので0≦a≦2.(2)1+sin2θ=a2より直線族はy=2ax−a2=x2−(a−x)2,0≦a≦2.固定した x に対し a−x は−x≦a−x≦2−xを動く。したがって平方の最小値と最大値を調べるとx<0:0≦x≦1/2:1/2≦x≦2:x≧2:22x−2≦y≦0,22x−2≦y≦x2,0≦y≦x2,0≦y≦22x−2.境界は y=0、y=22x−2、および 0≦x≦2 の放物線 y=x2 である。
総評
難度は10段階中7、計算量は10段階中5。直線族を a だけで表せるかが要点で、sin2θ=a2−1 に気づけば後半は2次式の値域問題になる。最小値は頂点ではなく端点比較で決まるため、x の区切り 0,21,2 を丁寧に出したい。試験場では18分程度で、縦切りの範囲をそのまま図の境界説明に対応させるとミスが少ない。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式や変化の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。
冊子PDFで見る北大の三角関数の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 1990年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。