方針
長さ条件 PQ=1 を座標で書き、q≦x と −π/2<x<π/2 から x−q=cosx の符号を決める。速さの問題では、点 P が曲線上を速さ1で動くので、弧長の微分 ds/dt=1+cos2xdx/dt を使う。最後に q=x−cosx を微分して dq/dt を出す。
解答
(1)
点 P は P=(x,sinx) であり、点 Q は Q=(q,0) である。PQ=1 より (x−q)2+(sinx)2=1 である。したがって (x−q)2=1−sin2x=cos2x となる。
ここで −2π<x<2π だから cosx>0 である。また条件より q≦x なので x−q≧0 である。よって x−q=cosx となり q=x−cosx である。
(2)
点 P は曲線 y=sinx 上を動く。x が時間 t の関数であるとすると、弧長の速さはdtds=1+(dxdy)2dtdx=1+cos2xdtdxである。点 P は右方向に速さ1で動くので dx/dt>0 かつ 1=1+cos2xdtdx である。したがって dtdx=1+cos2x1 である。
(1) より q=x−cosx なので dxdq=1+sinx である。したがってdtdq=dxdqdtdx=1+cos2x1+sinxである。範囲内では 1+sinx>0 だから、これが点 Q の速さである。
点 P が原点を通る瞬間は x=0 である。このとき 1+cos201+sin0=21 である。よって点 Q の速さ 1+cos2x1+sinx,x=0 では 21である。
別解
解法2(長さ条件を時間で直接微分する)
方針
(1) では長さ条件と符号条件からx−q=cosxを得る。(2)ではPの速度の大きさからdx/dtを決め、固定長の式を時間で直接微分してdq/dtを求める。
解答
(1)
PQ=1より(x−q)2+sin2x=1,したがって(x−q)2=cos2x.範囲内ではcosx>0であり、q≦xだからx−q≧0である。よってq=x−cosx.(2)
時間をtとする。点Pの速度は(dtdx,cosxdtdx)である。右向きに速さ1だから1=1+cos2xdtdx,dtdx=1+cos2x1.(1)固定長の式(x−q)2+sin2x=1をtで微分すると2(x−q)(dtdx−dtdq)+2sinxcosxdtdx=0.(1)で得たx−q=cosx>0を用いてcosxで割るとdtdq=(1+sinx)dtdx=1+cos2x1+sinx.これは範囲内で正なので、そのまま点Qの速さである。x=0ではdtdq=21.
総評
三角関数の位置関係と曲線上の速さを結びつける問題である。目安時間は17分。(1)は q≦x と cosx>0 から平方根の符号を決めるところが重要である。(2)では P の速さ1が dx/dt=1 を意味しない点に注意する。弧長の係数 1+cos2x を入れ、最後に Q の速さとして正であることを確認する。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。
冊子PDFで見る北大の三角関数の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 1991年度 後期 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。