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北海道大学 1990年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

平面上に点O(0,0)A(1,2)B(1,2)をとり,
OAを通る直線をlOBを通る直線をmとする.

(1) 行列(abcd)の表す1次変換f
次の条件(i)と(ii)を満たすためのabcdの条件を求めよ.

(i) flmに移し,mlに移す.

(ii) fによるABの像それぞれABとすると,
OABOABは面積が等しい.

(2) 1次変換fが(1)の条件を満たしながら変わるとき,
C(1,1)fによる像はどのような図形を描くかを調べ,それを図示せよ.

難易度8/ 10計算量6/ 10目安25

行列ベクトル図形と方程式 ベクトル成分計算面積計算軌跡

方針

直線 l,m はそれぞれ A,B の方向をもつので、A,B を基準にして f(A)=αBf(B)=βA とおく。面積条件は倍率の積の絶対値が1であることを意味する。標準座標で行列成分を出し、さらに点 CA,B の一次結合で表して移った先の座標から αβ=±1 を消去し、2本の双曲線を得る。

解答

(1)
直線 lA=(1,2) の方向、直線 mB=(1,2) の方向をもつ。条件(i)より、0でない実数 α,β を用いて f(A)=αB,f(B)=βA と書ける。

このとき OAB の面積は、OAB の面積の αβ 倍である。条件(ii)より αβ=1 すなわち αβ=1またはαβ=1 である。

標準座標で行列を求める。任意の点を A,B の係数で表すため、P=(1122)とおくと、標準座標での行列はP(0βα0)P1である。計算すると(α+β22(α+β)42(αβ)2α+β2)となる。したがって求める条件は、ある実数 α,β が存在して αβ=±1 を満たし、行列が上の形で表されることである。

問題文の成分 a,b,c,d で言い換えると d=a,c=2b,2b2a2=1 である。

(2)
C=(1,1)C=uA+vB と表す。成分を比較すると uv=1,2(u+v)=1 であるからu=12(1+12),v=12(121)である。特に uv=18 である。 f(C)=(X,Y) とおくと f(C)=uαB+vβA だから X=uα+vβ,Y2=uα+vβ である。よって(Y2)2X2=(uα+vβ)2(uα+vβ)2=4uvαβとなる。uv=18 より (Y2)2X2=12αβ であり、両辺を2倍して Y22X2=αβ を得る。 αβ=1 のとき 2X2Y2=1 であり、αβ=1 のとき Y22X2=1 である。したがって点 C が移る先は、原点を中心とし、漸近線を Y=±2X とする2本の双曲線 2X2Y2=1,Y22X2=1 を描く。前者は左右に開き、後者は上下に開く。

別解

解法2:行列成分を直接比較して消去する

方針

直線 l,m の方向ベクトルの像が相手の直線上にある条件を、行列成分で直接比較する。面積条件は変換倍率の絶対値、すなわち行列式の絶対値が1であることを使う。(2) は C の像 (X,Y)a,b の一次関係から成分を消去する。

解答

(1) M=(abcd)とする。A=(1,2) の像が m 上にある条件はc+2d=2(a+2b).B=(1,2) の像が l 上にある条件はc+2d=2(a+2b).2式を加減してd=a,c=2bを得る。

三角形の面積倍率はdetM=adbc=2b2a2である。したがって必要十分条件はd=a,c=2b,2b2a2=1.(2)
C=(1,1) の像を (X,Y) とするとX=a+b,Y=c+d=2ba.これを解いてa=2X+Y,b=XY.よって2b2a2=Y22X2.したがって軌跡はY22X2=1,すなわち2X2Y2=1またはY22X2=1.前者は左右、後者は上下に開き、共通の漸近線はY=±2Xである。

総評

難度は10段階中8、計算量は10段階中6。標準座標で最初から4成分を追うと式が散らかるため、A,B を基準にして直線の入れ替えを f(A)=αBf(B)=βA と置くのが最短である。面積条件の符号を落として αβ=1 だけにすると双曲線を1本失う。試験場では25分程度を見込み、(1)のパラメータ表示と(2)の消去計算を分けて書くと見通しがよい。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式や変化の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。

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出典: 北海道大学 1990年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。