方針
条件から各小区間の長さは 3n1 以上 n5 以下で、総和は区間全体の長さ 2 である。(1)では a>1 により lka=lklka−1 を上から評価する。(2)では 0<a<1 のとき指数 a−1 が負になるため不等号の向きが逆転することを使い、下から無限大へ押し上げる。a=1 と a>1 も別に確認する。
解答
(1)
条件 1≦3nlk≦15 より 3n1≦lk≦n5 である。また、[0,2] を分割しているので l1+l2+⋯+ln=2 である。 a>1 とする。このとき a−1>0 であり、lk≦n5 から lka−1≦(n5)a−1 である。したがって lka=lklka−1≦lk(n5)a−1 となる。これを k=1,2,…,n について足し合わせると0≦Sn≦(n5)a−1(l1+⋯+ln)=2(n5)a−1である。a−1>0 だから右辺は n→∞ で 0 に近づく。よって 極限が0 である。
(2)
まず 0<a<1 とする。このとき a−1<0 であるから、lk≦n5 より lka−1≧(n5)a−1 となる。したがって lka=lklka−1≧lk(n5)a−1 であり、足し合わせてSn≧(n5)a−1(l1+⋯+ln)=2(n5)a−1を得る。これは 2⋅5a−1n1−a であり、1−a>0 なので n→∞ で無限大に発散する。
一方、a=1 のときは Sn=l1+l2+⋯+ln=2 で一定である。また a>1 のときは(1)より Sn は 0 に近づく。したがって 極限が無限大 となる a の範囲は 0<a<1 である。
別解
解法2:項数だけを使う一様評価
方針
各 lk の上下限をそのまま a 乗し、n 項の和として評価する。(1) は上限、(2) の 0<a<1 では下限を使う。端点 a=1 と a>1 を別に確認して必要十分性を確定する。
解答
条件から3n1≦lk≦n5.(1)
a>1 なら0<Sn≦n(n5)a=5an1−a.1−a<0 なので右辺は0へ近づく。よってn→∞limSn=0.(2)
0<a<1 ならSn≧n(3n1)a=3−an1−a.1−a>0 なので右辺は無限大へ発散する。したがってn→∞limSn=∞.a=1 ではSn=k=1∑nlk=2,a>1 では (1) より0へ近づく。ゆえに求める範囲は0<a<1.
総評
難度は10段階中5、計算量は10段階中4。小区間の個数が増える問題だが、個々の長さの上下界と総和 2 を結びつけるだけで処理できる。0<a<1 では a−1 が負になるため、不等号が逆になる点が最も危ない。試験場では12分程度で、a=1 を別に確認して範囲の端点を閉じないことを明記したい。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式や変化の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。
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出典: 北海道大学 1990年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。