方針
問題で数学的帰納法が指定されているので、基底 n=2 と帰納法の段階を分けて書く。帰納法の段階では、仮定に 1/n+1 を足したあと、増加分 2n+1−2n と比較する。必要な不等式は n<n+1 から直接示し、厳密な不等号が保たれることを確認する。
解答
n=2 のとき、左辺は 21 であり、右辺は 22−2 である。差をとると 22−2−21=232−2 である。32>4 だから 232−2>0 であり、n=2 で不等式は成り立つ。
次に、ある n≧2 で 21+31+⋯+n1<2n−2 が成り立つと仮定する。この両辺に 1/n+1 を加えると21+31+⋯+n1+n+11<2n−2+n+11である。
ここで右辺の追加分を比較する。まず 2n+1−2n=n+1+n2 である。一方、n<n+1 より n+1+n<2n+1 だから n+1+n2>n+11 である。したがって2n−2+n+11<2n−2+{2n+1−2n}=2n+1−2となる。よって 21+31+⋯+n+11<2n+1−2 が成り立つ。
以上より、数学的帰納法によって、すべての n≧2 で21+31+⋯+n1<2n−2が成り立つ。
別解
解法2(差を正の積に直す帰納法)
方針
数学的帰納法の枠組みは保ち、帰納段階で必要な増加分の比較を通分して明らかな正の式に直す。基底、帰納法の仮定、n+1での結論を分離して書く。
解答
左辺をSn=k=2∑nk1とおく。
基底
n=2のとき22−2−21=232−4>0だから、S2<22−2である。
帰納法の段階
あるn≧2についてSn<2n−2が成り立つと仮定する。ここで2(n+1−n)−n+11=n+1+n2−n+11=n+1(n+1+n)n+1−n>0.したがってn+11<2n+1−2n.帰納法の仮定にこの不等式を加えるとSn+1=Sn+n+11<2n−2+2n+1−2n=2n+1−2.よってn+1でも成立する。
以上により、数学的帰納法からすべてのn≧2について21+31+⋯+n1<2n−2が成り立つ。
総評
指定どおり数学的帰納法で証明する問題である。目安時間は12分。基底 n=2 の確認を省かないこと、帰納法の段階で 1/n+1 が右辺の増加分より小さいことを明示することが得点点である。根号の大小比較だけで進むため計算は軽いが、不等号の向きと厳密な不等号の保持に注意したい。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。
冊子PDFで見る北大の数列の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 1991年度 前期 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。