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北海道大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

nは2以上の自然数とする。数学的帰納法を用いて、次の不等式を証明せよ。12+13++1n<2n2

難易度4/ 10計算量3/ 10目安12

数列方程式・不等式論証・証明 数学的帰納法不等式評価

方針

問題で数学的帰納法が指定されているので、基底 n=2 と帰納法の段階を分けて書く。帰納法の段階では、仮定に 1/n+1 を足したあと、増加分 2n+12n と比較する。必要な不等式は n<n+1 から直接示し、厳密な不等号が保たれることを確認する。

解答

n=2 のとき、左辺は 12 であり、右辺は 222 である。差をとると 22212=3222 である。32>4 だから 3222>0 であり、n=2 で不等式は成り立つ。

次に、ある n212+13++1n<2n2 が成り立つと仮定する。この両辺に 1/n+1 を加えると12+13++1n+1n+1<2n2+1n+1である。

ここで右辺の追加分を比較する。まず 2n+12n=2n+1+n である。一方、n<n+1 より n+1+n<2n+1 だから 2n+1+n>1n+1 である。したがって2n2+1n+1<2n2+{2n+12n}=2n+12となる。よって 12+13++1n+1<2n+12 が成り立つ。

以上より、数学的帰納法によって、すべての n212+13++1n<2n2が成り立つ。

別解

解法2(差を正の積に直す帰納法)

方針

数学的帰納法の枠組みは保ち、帰納段階で必要な増加分の比較を通分して明らかな正の式に直す。基底、帰納法の仮定、n+1での結論を分離して書く。

解答

左辺をSn=k=2n1kとおく。

基底

n=2のとき22212=3242>0だから、S2<222である。

帰納法の段階

あるn2についてSn<2n2が成り立つと仮定する。ここで2(n+1n)1n+1=2n+1+n1n+1=n+1nn+1(n+1+n)>0.したがって1n+1<2n+12n.帰納法の仮定にこの不等式を加えるとSn+1=Sn+1n+1<2n2+2n+12n=2n+12.よってn+1でも成立する。

以上により、数学的帰納法からすべてのn2について12+13++1n<2n2が成り立つ。

総評

指定どおり数学的帰納法で証明する問題である。目安時間は12分。基底 n=2 の確認を省かないこと、帰納法の段階で 1/n+1 が右辺の増加分より小さいことを明示することが得点点である。根号の大小比較だけで進むため計算は軽いが、不等号の向きと厳密な不等号の保持に注意したい。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。

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出典: 北海道大学 1991年度 前期 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。