Evolton

北海道大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

(1) {}次の等式を示せ。limn1n{k=n+12nlogknlogn}=12logxdx(2) {}次の極限を求めよ。limn{(2n)!n!nn}1/n

難易度5/ 10計算量4/ 10目安17

数列積分指数・対数 定積分評価極限計算和の計算

方針

(1) は和の中の logknlognlog(k/n) の和に直し、k=n+j と置いて区間 [1,2] の幅 1/n の和として読む。(2)は与えられた式の対数を取ると(1)と同じ形になるので、極限を先に対数で求め、最後に指数に戻す。最後の定積分は部分積分で具体的に計算する。

解答

(1)
左辺の中括弧の中を整理する。k=n+12nlogknlogn=k=n+12n(logklogn)=k=n+12nlogknである。したがって1n{k=n+12nlogknlogn}=1nk=n+12nlogknである。

ここで k=n+j とおくと、j=1,2,,n であり kn=1+jn である。よって上の式は1nj=1nlog(1+jn)となる。これは区間 [0,1] を幅 1/n に分けたときの関数 log(1+x) の和であるからlimn1nj=1nlog(1+jn)=01log(1+x)dxである。変数を u=1+x と置き換えれば01log(1+x)dx=12loguduなのでlimn1n{k=n+12nlogknlogn}=12logxdxが示された。

(2)
まず (2n)!n!nn=(n+1)(n+2)(2n)nn である。求める極限の対数を考えるとlog{((2n)!n!nn)1/n}=1nlog(n+1)(n+2)(2n)nnである。右辺は(1)の左辺と同じなので、極限は12logxdxである。

この定積分を計算する。部分積分によりlogxdx=xlogxxであるから12logxdx=[xlogxx]12=(2log22)(1)=2log21である。

したがって、求める極限を L とすると logL=2log21 である。よって L=e2log21=4e であり、答えは 4e である。

別解

解法2(定積分ではさみうちする)

方針

増加関数logxについて、幅1/nの各小区間の積分を左右端の関数値ではさむ。(1)の和が定積分へ収束することを不等式で示し、(2)は積の対数を同じ和へ変形して指数関数の連続性を用いる。

解答

(1)

f(x)=logx[1,2]で増加する。j=1,,nについて1nlog(1+j1n)1+(j1)/n1+j/nlogxdx1nlog(1+jn)である。これをj=1からnまで加えると1nj=0n1log(1+jn)12logxdx1nj=1nlog(1+jn).左右の和の差は1n{log2log1}=log2n0である。したがって、はさみうちにより右端の和は中央の定積分へ収束する。

一方、1n{k=n+12nlogknlogn}=1nj=1nlog(1+jn)だから、求める等式が示された。

(2) An={(2n)!n!nn}1/nとおくとlogAn=1nk=n+12nlogkn.(1)よりlimnlogAn=12logxdx=[xlogxx]12=2log21.指数関数は連続だからlimnAn=e2log21=4e.

総評

階乗を対数に直して定積分の和へつなぐ問題である。目安時間は17分。(1)は k/n=1+j/n としてリーマン和の形を明示することが重要で、ただ「和だから積分」と書くだけでは根拠が薄い。(2)は先に対数を取れば(1)がそのまま使える。最後に定積分の値を部分積分で計算し、指数に戻すところまで丁寧に書く。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。

冊子PDFで見る北大の数列の問題で問題集を作る

出典: 北海道大学 1991年度 前期 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。