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北海道大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

2次方程式x2+x1=0の2つの解をαβとおく.

(1) αn+βn=αn+1+βn+1+αn+2+βn+2が成り立つことを示せ.
ただし,nは自然数とする.

(2) tn=αnβn5
sn=tn2tntn+1tn+12 (n=1,2,3,)とおく.
snnを用いて表し,k=1n(2k1)skを求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

数列方程式・不等式 解と係数の関係、漸化式の変形和の計算

方針

方程式 x2+x1=0 の解は、各解について x2=1x、つまり 1=x+x2 を満たす。(1)はこれを αnβn に掛けて加える。(2)では tn が同じ2項漸化式 tn+2=tntn+1 を満たすことを使い、sn+1=sn を直接計算で示す。最後の和は奇数の交代和なので、偶数個・奇数個をまとめて計算する。

解答

(1) αβ はともに方程式 x2+x1=0 の解である。したがって α2+α1=0,β2+β1=0 であり、1=α+α2,1=β+β2 が成り立つ。

第1式に αn、第2式に βn を掛けるとαn=αn+1+αn+2,βn=βn+1+βn+2である。これらを加えてαn+βn=αn+1+βn+1+αn+2+βn+2を得る。

(2)
各解は x2=1x を満たすので、n1 に対してαn+2=αnαn+1,βn+2=βnβn+1である。よって tn+2=tntn+1 が成り立つ。また、αβ=5α+β=1 だから t1=αβ5=1, t2=α2β25=(αβ)(α+β)5=1である。

ここで sn=tn2tntn+1tn+12 とおく。tn+2=tntn+1 を用いるとsn+1=tn+12tn+1tn+2tn+22=tn+12tn+1(tntn+1)(tntn+1)2=tn2+tntn+1+tn+12=sn.さらに s1=t12t1t2t22=1(1)1=1 である。したがって sn=(1)n+1 である。

よって求める和は 13+57++(2n1)(1)n+1 となる。偶数番目までを組にすると (13)+(57)++((4j3)(4j1))=2j である。したがって、n=2j のとき和は 2j=nn=2j1 のとき和は直前の 2(j1)4j3 を加えて 2j1=n である。まとめてk=1n(2k1)sk=(1)n+1nである。

別解

解法2:フィボナッチ型数列へ読み替える

方針

tn の初項と漸化式から、その絶対値がフィボナッチ型数列になり、符号だけが交互に変わることを示す。すると sn は隣接項の積の差になるので、その差が交互に ±1 となる恒等式を短い帰納計算で証明して用いる。最後の重み付き和は2項ずつ組にし、n の偶奇を一つの式へまとめる。

解答

(1)
α,β はともに x2+x1=0 の解だから1=α+α2,1=β+β2.それぞれに αn,βn を掛けて加えるとαn+βn=αn+1+βn+1+αn+2+βn+2を得る。

(2) F1=F2=1, Fn+2=Fn+1+Fn で定まる数列を考える。解法1と同じくt1=1,t2=1,tn+2=tntn+1.したがって帰納法によりtn=(1)n+1Fnが成り立つ。実際、この式が n,n+1 で成り立つならtn+2=(1)n+1(Fn+Fn+1)=(1)n+3Fn+2である。

ここでCn=Fn+1Fn1Fn2(n2)とおく。C2=1 であり、Cn+1=Fn+2FnFn+12=(Fn+1+Fn)FnFn+12=Fn2Fn+1(Fn+1Fn)=Fn2Fn+1Fn1=Cnだから Cn=(1)n となる。よってsn=Fn2+FnFn+1Fn+12=Fn2Fn1Fn+1=(1)n+1.求める和は13+57++(2n1)(1)n+1.2項ずつ組にすると各組は 2 である。n が偶数なら和は n、奇数なら最後の正の項を加えて n となる。したがってk=1n(2k1)sk=(1)n+1nである。

総評

難度6、計算量5、目安時間18分。(1)の根が満たす恒等式を、(2)の漸化式へつなぐ構成を見抜けるかが要点である。tn+2=tntn+1 の符号を誤ると全て崩れるため、t1=1,t2=1,t3=2 の確認が有効である。符号反転の直接計算とフィボナッチ型恒等式で相互検算した。最後の交代和は n の偶奇を分けた後、(1)n+1n にまとめる。

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出典: 北海道大学 1987年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。