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北海道大学 1992年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

実数aに対して,円Ca:(xa)2+(ya)2=a2+1を考える.

(1) {}aがすべての実数を動くとき,円Caが通る範囲を図示せよ.

(2) {}aが0以上のすべての実数を動くとき,円Caが通る範囲を図示せよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

図形と方程式方程式・不等式 判別式、場合分け、軌跡

方針

x,y がどれかの円 Ca 上にある条件を,a についての2次方程式が実数解をもつ条件に直す。(1)では a がすべての実数を動くので判別式だけでよい。(2)では解が a0 に存在する必要があるため,a=0 で既に円内に入る場合と,外側で正の解をもつ場合に分ける。最後は境界 xy=12,単位円,直線 x+y=0 の位置関係を意識して図示する。

解答

(1)
(x,y) が円 Ca:(xa)2+(ya)2=a2+1 上にあるとする。式を a について整理すると a22(x+y)a+x2+y21=0 である。したがって,ある実数 a が存在するための条件は,この2次方程式が実数解をもつことである。

判別式を調べると D=4(x+y)24(x2+y21)=4(2xy+1) である。よって条件は 2xy+10 すなわち xy12 である。したがって,a がすべての実数を動くときに円が通る範囲は xy12 である。境界は双曲線 xy=12 であり,その双曲線を含んで xy が大きい側を塗ればよい。

(2)
同じ2次方程式 F(a)=a22(x+y)a+x2+y21=0 が,a0 の範囲に解をもつ条件を考える。

まず x2+y21 ならば F(0)=x2+y210 である。F(a) は上に開く2次式なので,a を十分大きくすると正になる。したがって,a0 に解が存在する。

次に x2+y2>1 とする。このとき F(0)>0 であるから,a0 に解をもつには,正の側で2次式がいったん0以下になる必要がある。F(a) の軸は a=x+y である。したがってまず x+y>0 が必要である。そのうえで実数解をもつ条件は(1)と同じく xy12 である。これらは十分でもある。

以上より,a0 のときに円が通る範囲は x2+y21 または x2+y2>1,x+y>0,xy12 である。図示では,単位円の内部全体を含み,その外側では直線 x+y=0 の右上側で,かつ双曲線 xy=12 の条件を満たす部分を加えればよい。

別解

解法2(パラメータを直接解く)

方針

Caの式をaについて解き,a=x+y±2xy+1を得る。(1)は平方根が実数である条件、(2)は大きい方の解が非負である条件を調べる。後者をx+yの符号で分けると、単位円・直線・双曲線で囲まれる領域が直接得られる。

解答

(1)

(x,y)が円Ca上にある条件をaについて解くとa22(x+y)a+x2+y21=0よりa=x+y±2xy+1である。したがって実数aが存在するための必要十分条件は2xy+10である。よって求める範囲はxy12を満たす領域であり、境界の双曲線も含む。

(2)

a0の解が存在するためには、大きい方の解についてx+y+2xy+10となればよい。ただし2xy+10が前提である。

x+y0なら上の不等式は自動的に成り立つ。x+y<0なら、両辺が非負であることに注意して2xy+1(x+y)を2乗できる。これより2xy+1(x+y)2x2+y21を得る。

したがって求める範囲は{x+y0, xy12}  {x+y<0, x2+y21}である。単位円内では常にxy12なので、これは解法1の領域表示と一致する。

総評

動く円の通過領域を,パラメータ a の存在条件に直す問題である。目安時間は18分。(1)は判別式だけで済むが,(2)は a に非負条件が付くため,単に判別式を使うだけでは足りない。F(0)0 なら正の解が確保できること,F(0)>0 では軸が正の側にあることを確認するのが採点上の要点である。図示では単位円,直線 x+y=0,双曲線 xy=12 の境界を分けて描くと誤りにくい。 2解法の結論を相互照合し、条件範囲、端点、等号条件、符号を確認した。 図は立式の対応関係を示すための解説図であり、数値結論には依存しない。

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出典: 北海道大学 1992年度 前期 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。