方針
(1) は絶対値の符号が変わる で区間を分けて折れ線の式を出す。(2)は からの距離の和であり、中央値 が最小を与えることを、傾きの変化または対称な項の組で説明する。最小値は左右に同じ距離 が並ぶことから求める。
解答
(1)
折れ点は である。各区間で絶対値を外すと はとなる。
したがってグラフは、点 を折れ点にもつ折れ線である。傾きは順に と変化する。
(2) とおく。 が整数点 を1つ越えるたびに、各項の傾きは から に変わる。したがって全体の傾きは のように変化する。
このため関数は までは減少し、 を過ぎると増加する。よって最小を与える は である。
このときしたがって最小値は である。
別解
解法2(距離の三角不等式)
方針
数直線上で、左右対称な2点までの距離を組にする。
2点間の距離は、その間に を経由した距離以下であるという
三角不等式を各組へ適用する。
解答
(1)
点 を対にするとこれに を加えればを得る。したがって を順に通り、
傾きが と変わる折れ線である。
(2)
に対して、三角不等式よりである。中央の項は だから、すべてを足すと のときはすべての不等式で等号が成り立つ。
さらに中央の項が0になるには が必要である。
よって最小値とそれを与える はである。
総評
難度4、計算量4。絶対値和の基本問題で、折れ点ごとの傾き変化を丁寧に追えば確実に解ける。中央値で最小になるという事実を使う場合も、奇数個の点であることと最小値の計算を具体的に示す必要がある。よくある誤りは、最小値を としてしまうこと、また最小を与える を区間で答えてしまうことである。目安は10分程度。 2つの解法は、答案で採用しやすい標準手順と、構造を見抜いて短く処理する手順を分けて示した。式変形の根拠、等号条件、必要性と十分性を省略せず、積分・総和・極限および主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。