方針
放物線 y=x2−ax は軸 x=a/2 に関して対称で,指定区間も x=a/2 を中心に左右 a/3 だけ広がっている。長方形の上側の辺は x 軸に平行でなければならないので,その両端を x=a/2±u と置くと,幅は 2u,高さは a2/4−u2 になる。あとは 0≦u≦a/3 の範囲で,周長の二次式と面積の三次式を最大化し,周長だけは頂点 u=1 が範囲に入るかで場合分けする。
解答
放物線を平方完成すると y=x2−ax=(x−2a)2−4a2 である。指定区間 a/6≦x≦5a/6 は,軸 x=a/2 から左右に a/3 だけ離れた範囲である。
長方形の対辺の両端を x=2a−u,x=2a+u に対応する放物線上の二点とおく。このとき 0≦u≦3a である。両端の y 座標は y=u2−4a2 なので,長方形の高さは 4a2−u2 であり,幅は 2u である。
(1)
周の長さを P(u) とすると P(u)=2(2u+4a2−u2)=4u+2a2−2u2. したがって P′(u)=4−4u であり,二次式の頂点は u=1 である。 0<a<3 のときは a/3<1 なので,P(u) は許された範囲で増加し,最大は u=a/3 で生じる。よってPmax=4⋅3a+2a2−2⋅9a2=34a+185a2. a≧3 のときは u=1 を取ることができ,Pmax=4+2a2−2=2a2+2. したがってPmax=⎩⎨⎧34a+185a22a2+2(0<a≦3),(a≧3)である。a=3 では二つの式は同じ値になる。
(2)
面積を S(u) とすると S(u)=2u(4a2−u2)=2a2u−2u3. 微分すると S′(u)=2a2−6u2. よって S′(u)=0 となる正の値は u=23a である。この値は 23a<3a を満たすので,許された範囲内にある。また S′(u) はこの前で正,この後で負であるから,ここで最大となる。
したがってSmax=2⋅23a(4a2−12a2)=3a⋅6a2=63a3=183a3.
別解
解法2
方針
長方形の幅そのものを w と置く。高さを w の式で表し、周長は平方完成、面積は微分で最大化する。幅の範囲を先に確定して、周長では頂点が範囲内にあるかを場合分けする。
解答
長方形の幅を w とする。放物線の軸に関する対称性から、上側の二頂点の x 座標は2a−2w,2a+2wである。指定された定義域より0≦w≦32a.また、この二点の y 座標は w2/4−a2/4 だから、長方形の高さはh=4a2−w2である。
(1)
周の長さはP(w)=2(w+h)=2w+2a2−w2=2a2+2−2(w−2)2.したがって、2a/3≦2、すなわち 0<a≦3 のときは右端 w=2a/3 で最大となり、Pmax=34a+185a2.a≧3 のときは w=2 を取ることができ、Pmax=2a2+2.よってPmax=⎩⎨⎧34a+185a22a2+2(0<a≦3),(a≧3).(2)
面積はS(w)=wh=4w(a2−w2).したがってS′(w)=4a2−3w2.S′(w)=0 となる正の値は w=a/3 であり、3a<32aだから許された範囲内にある。増減よりここで最大となり、Smax=41⋅3a(a2−3a2)=63a3.
総評
対称性で一変数化できるかが勝負の問題である。所要時間は12分程度。長方形の幅を直接 x2−x1 と置くより,軸からの距離 u を使うと高さが a2/4−u2 とすぐ出る。周長は頂点 u=1 が範囲に入るかで場合分けが必要だが,面積の最大点 a/(23) は常に [0,a/3] に入る。周長と面積で場合分けの有無が異なる点を混同しないこと。
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出典: 北海道大学 1998年度 前期 文系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。