Evolton

北海道大学 2001年度 前期日程文系数学 第4問

A,B,C の3人が次のように勝負を繰り返す。
1回目には AB の間で硬貨投げにより勝敗を決める。
2回目以降には、直前の回の勝者と参加しなかった残りの1人との間で、
やはり硬貨投げにより勝敗を決める。
この勝負を繰り返し、誰かが2連勝するか、または4回目の勝負を終えたとき終了する。
ただし、硬貨投げで勝つ確率は各々 12 である。

(1) A,B,C のうちの誰かが2連勝して終了する確率を求めよ。

(2) A が2連勝して終了する確率を求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安10

確率 数え上げ、余事象、場合分け

方針

勝者の列に注目する。誰も2連勝しないためには、2回目以降は直前の勝者が必ず負け、直前に参加していなかった人が勝ち続ける必要がある。(1)はこの余事象を使う。(2)は A が2連勝する勝者列を、終了前に2連勝が起きない条件込みで列挙する。

解答

(1)

2連勝が起こらない場合を考える。1回目の勝者は誰でもよいが、2回目以降は、直前の勝者が勝つとその時点で2連勝になる。したがって、2連勝しないためには、2回目、3回目、4回目の各回で直前の勝者が負けなければならない。

各勝負で直前の勝者が負ける確率は 1/2 であるから、4回終了まで誰も2連勝しない確率は (12)3=18 である。

よって、誰かが2連勝して終了する確率は余事象を用いて 118=78 である。

(2) A が2連勝して終了する場合を、勝者列で数える。

まず1回目、2回目に続けて A が勝つ場合がある。勝者列は A,A であり、その確率は (12)2=14 である。

次に、2回目または3回目で別の人が2連勝してはいけないので、1回目に A が勝たない場合から A が最後に2連勝するには B,C,A,A という勝者列しかない。この確率は (12)4=116 である。

以上は互いに重ならないので、求める確率は 14+116=516 である。

別解

解法2(継続確率と終了時刻)

方針

m 回まで2連勝が起きない確率を再帰的に求める。
A の優勝については、終了時刻が2回目または4回目に限られることを使い、
それぞれの勝者列を確定する。

解答

(1)

um を、第 m 回終了時まで誰も2連勝していない確率とする。
第1回終了時には必ずゲームが続くので u1=1 である。
ゲームが続いているとき、次の回で直前の勝者が負ける確率は
12 だからum+1=12um.よってu4=(12)3=18.したがって4回までに誰かが2連勝する確率は1u4=78.(2)

A が2連勝して終了する時刻は2回目または4回目である。
2回目なら勝者列は AA で、確率は(12)2=14.4回目なら、途中で2連勝せず、3回目と4回目を A が勝つ必要がある。
参加者の推移まで考えると勝者列は BCAA に限られ、確率は(12)4=116.両者は排反なので、求める確率は14+116=516.

総評

難度5、計算量4。全ての試合を樹形図にすると見通しが悪くなるので、「2連勝しない」条件を勝者列の制約として捉えるのがよい。(1)は余事象、(2)は A,AB,C,A,A の2通りを漏れなく挙げることが要点。よくある誤りは、途中で他の人が2連勝してすでに終了している列を数えてしまうことである。目安は10分から12分。 2つの解法は、答案で採用しやすい標準手順と、構造を見抜いて短く処理する手順を分けて示した。式変形の根拠、等号条件、必要性と十分性を省略せず、積分・総和・極限および主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。

冊子PDFで見る北大の確率の問題で問題集を作る

出典: 北海道大学 2001年度 前期 数学 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。