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北海道大学 2000年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

1から4までの番号を1つずつ書いた4枚のカードがある。この中から1枚を抜き取り,番号を記録してもとに戻す。これを n 回繰り返したとき,記録された n 個の数の積が3の倍数である確率を an,4の倍数である確率を bn とおく。

(1) anbn を求めよ。

(2) n2 のとき,bn>an を数学的帰納法を用いて証明せよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安18

確率数列 余事象、数学的帰納法不等式評価

方針

an は「3が一度も出ない」余事象で求める。bn は積が4の倍数でない場合、つまり因数2の個数が0個または1個だけの場合を数える。比較では得た式を整理して 2(3/2)n>n+2 に変形し、問題の指定どおり数学的帰納法で示す。帰納段階では両辺を 3/2 倍したとき、(3/2)(n+2)>n+3 となることを使う。

解答

(1)

積が3の倍数でないのは、n 回の記録の中に3が一度も出ない場合である。1回で3以外が出る確率は 3/4 なのでP(3が一度も出ない)=(34)nである。したがって an=1(34)n である。

次に bn を求める。積が4の倍数でないのは、積に含まれる因数2の個数が0個または1個の場合である。カード1と3は因数2を含まず、カード2は因数2を1個、カード4は因数2を2個含む。

因数2が0個の場合は、毎回1または3が出る場合であり、確率は (12)n である。因数2が1個の場合は、ちょうど1回だけ2が出て、残りは1または3が出る場合である。したがって確率はnC114(12)n1=n2n+1である。

よって積が4の倍数でない確率は 12n+n2n+1=n+22n+1 である。したがって bn=1n+22n+1 である。

(2)

(1) の結果より、bn>an1n+22n+1>1(34)n と同値である。整理すると (34)n>n+22n+1 であり、両辺に 2n+1 を掛けると 2(32)n>n+2 となる。

この不等式を n2 で帰納法により示す。n=2 では 2(32)2=92>4 であり、成り立つ。

ある n22(32)n>n+2 が成り立つと仮定する。このとき2(32)n+1=322(32)n>32(n+2)である。さらに 32(n+2)(n+3)=n2>0 だから 2(32)n+1>n+3 である。よって帰納法により、すべての n2bn>an が成り立つ。

別解

解法2

方針

積に含まれる素因数2の個数を状態0・状態1・状態2以上に分ける。状態0と状態1の確率に漸化式を立てて bn を求める。最後の大小比較は問題の指定どおり同じ帰納命題へ帰着する。

解答

(1)

3を一度も引かない確率は (3/4)n なのでan=1(34)n.積に含まれる素因数2の個数が0個である確率を un,ちょうど1個である確率を vn とする。0個のままであるには毎回1または3を引く必要があるからun=(12)n.最後の1回で状態1になる方法を分けるとvn+1=12vn+14un,v1=14.この漸化式へ un=2n を代入し,帰納法でvn=n2n+1を得る。積が4の倍数でないのは状態0または状態1なのでbn=1unvn=1n+22n+1.(2)

bn>an2(32)n>n+2と同値である。n=2 では左辺は 9/2 で,右辺4より大きい。

n2 で成立すると仮定すると,2(32)n+1>32(n+2).しかも32(n+2)(n+3)=n2>0だから,n+1 の場合も成立する。よって数学的帰納法により,すべての n2bn>an である。

総評

難度5,計算量5,想定時間18分。an=1(3/4)nbn=1(n+2)/2n+1。4の倍数でない積を,素因数2の個数が0または1の場合に正確に分ける。帰納法では命題を 2(3/2)n>n+2 に整理してから始める。

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出典: 北海道大学 2000年度 前期 文系 第2問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。