方針
各移動を または の列として数える。 回後の座標は正方向の回数を とすると である。(2)は7回後の座標が奇数だけになることと左右対称性を使い、正の座標だけを2倍して期待値を計算する。(3)は「6回目に原点でない」ではなく「途中で一度も原点に戻らない」条件である。最初の1歩の向きで分け、正側に出た場合の正のまま進む経路を数え、負側は対称性で同数とする。
解答
(1)
8回のうち正の向きに進む回数を とする。このとき負の向きに進む回数は であり、 である。 となるには すなわち であればよい。
したがって、8回のうち正方向への移動を5回選ぶので である。
(2)
7回後の座標は のいずれかである。正方向の回数を とすると である。
左右対称性を用いて、正の座標だけを数えて2倍する。正の座標 に対応する正方向の回数はそれぞれ である。したがって(3)
6回の移動が終わるまで一度も に戻らない経路を数える。全経路は 通りである。
まず第1歩が正の向きである場合を考える。この場合、各時点の座標が常に正であればよい。6歩後の座標は正の偶数なので、可能な終点は である。
6歩で終点が2となる経路は、正方向4回、負方向2回である。このうち途中で0に戻らず常に正であるものは、投票型の数え上げにより 通りである。同様に終点が4のものは 通り、終点が6のものは 通りである。したがって、第1歩が正の向きの場合は 通りである。
第1歩が負の向きの場合も、符号をすべて反対にする対応により同じく10通りである。よって条件を満たす経路は 通りであり、求める確率は である。
原点へ戻らない経路
別解
解法2
方針
(1) ,(2)は二項分布をそのまま用いる。(3)は投票公式を使わず、第1歩を正に固定した後の「正の位置にとどまる経路数」を時刻ごとの表で更新する。負側は符号反転で同数になる。
解答
(1)
正方向への移動回数を とするとしたがって(2)
左右対称性より(3)
第1歩を正に固定する。原点へ戻らない経路数を、各時刻の正の位置ごとに更新するととなる。第1歩が正の経路は 通りである。負側も10通りだからである。
総評
難度5、計算量5。目安時間は16〜21分。ランダムウォークの標準的な数え上げだが、(3)の条件を読み違えやすい。「6回後に でない」ではなく、1回目から6回目まで一度も に戻らないことを数える。期待値は分布を全部書いてもよいが、左右対称性で正の座標だけを2倍すると整理しやすい。経路数では、正方向の回数と座標 の対応を常に確認するのがミス防止になる。