方針
(1) は順序条件を一次式 に代入して上界・下界を作る。 から ,また と から を得る。等号成立点を確認して最大・最小を確定する。(2)は を で表し, の最大・最小を順序条件から評価する。等号成立例を添えて,範囲全体を確定する。
解答
(1) より である。ところが なので となり, である。等号は のとき成り立ち,この点は条件を満たす。したがって の最大値は である。
次に の最小値を求める。 より ,また より であるから である。したがって である。等号は のとき成り立ち,この点は を満たす。よって の最小値は である。
(2)
条件式から である。したがってである。よって の範囲を求めるには, の範囲を調べればよい。
まず より , であるから である。したがって である。等号は すなわち で成り立つ。
次に下から評価する。 と条件式から である。よって であり, である。さらに だから である。したがって となり, である。等号は のとき成り立つ。
以上より である。
順序条件を3つの非負な「差」に直すと、各最大・最小が一つの予算配分として見える。
別解
解法2(隣り合う差を変数にする)
方針
順序条件を 、、 という3つの非負変数へ置き換える。条件式は1本の予算式となり、各目的式は係数比を比較するだけで最大・最小を決められる。
解答
とおくと であり、である。条件式へ代入するとを得る。
(1)
を最大にするには、同じ予算8を最も大きい係数9の だけへ配分すればよい。すなわちで、 の最大値は である。
また を最小にするには、予算当たりの が大きい だけへ配分すればよい。すなわちで、 の最小値は である。
(2) である。予算1当たりに引かれる量は、 についてそれぞれである。したがって最小値は だけへ配分した のときの 、最大値は だけへ配分した のときの である。
非負解の集合は凸で、目的式は連続な一次式だから両端の間の値をすべてとる。よってである。
総評
難度6,計算量5。線形条件と順序条件から一次式の範囲を出す問題である。線形計画の頂点を探す方法でも解けるが,答案では不等式で上界・下界を作り,等号成立点を示すのが簡潔である。(2)では と変形したあと,最大化と最小化の向きが反転する点に注意する。目安時間は22分から25分。 最大・最小の候補を示すだけでは足りず、不等式または非負変数の予算式で全域の上下界を証明し、等号成立点を元の条件へ戻して確認する。