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北海道大学 2006年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

実数xyzxyz1かつ4x+3y+2z=1をみたすとする.

(1) xの最大値とyの最小値を求めよ.

(2) 3xy+zの値の範囲を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安25

方程式・不等式 範囲評価、文字消去必要十分条件

方針

(1) は順序条件を一次式 4x+3y+2z=1 に代入して上界・下界を作る。xyz から 4x+3y+2z9x,また xyz1 から 4x+3y+2z7y+2 を得る。等号成立点を確認して最大・最小を確定する。(2)は 3xy+zy,z で表し,13y+2z の最大・最小を順序条件から評価する。等号成立例を添えて,範囲全体を確定する。

解答

(1) xyz より 4x+3y+2z4x+3x+2x=9x である。ところが 4x+3y+2z=1 なので 19x となり,x19 である。等号は x=y=z=19 のとき成り立ち,この点は条件を満たす。したがって x の最大値は 19 である。

次に y の最小値を求める。xy より 4x4y,また z1 より 2z2 であるから 1=4x+3y+2z4y+3y+2=7y+2 である。したがって y17 である。等号は x=y=17,z=1 のとき成り立ち,この点は xyz1,4x+3y+2z=1 を満たす。よって y の最小値は 17 である。

(2)

条件式から x=13y2z4 である。したがって3xy+z=313y2z4y+z=313y2z4である。よって 3xy+z の範囲を求めるには,13y+2z の範囲を調べればよい。

まず yz1 より y1z1 であるから 13y+2z15 である。したがって 3xy+z3154=3 である。等号は (y,z)=(1,1),x=1 すなわち (x,y,z)=(1,1,1) で成り立つ。

次に下から評価する。xy と条件式から 1=4x+3y+2z7y+2z である。よって y12z7 であり,13y+2z1312z7+2z=1312z7 である。さらに z1 だから 1312z717 である。したがって 13y+2z17 となり,3xy+z3174=57 である。等号は z=1,x=y=17 のとき成り立つ。

以上より 33xy+z57 である。

順序条件を3つの非負な「差」に直すと、各最大・最小が一つの予算配分として見える。

別解

解法2(隣り合う差を変数にする)

方針

順序条件を u=yxv=zyw=1z という3つの非負変数へ置き換える。条件式は1本の予算式となり、各目的式は係数比を比較するだけで最大・最小を決められる。

解答

u=yx,v=zy,w=1zとおくと u,v,w0 であり、z=1w,y=1wv,x=1wvuである。条件式へ代入すると4u+7v+9w=8を得る。

(1)

x=1(u+v+w) を最大にするには、同じ予算8を最も大きい係数9の w だけへ配分すればよい。すなわち(u,v,w)=(0,0,89)で、x の最大値は 1/9 である。

また y=1(v+w) を最小にするには、予算当たりの v+w が大きい v だけへ配分すればよい。すなわち(u,v,w)=(0,87,0)で、y の最小値は 1/7 である。

(2) 3xy+z=33u2v3wである。予算1当たりに引かれる量は、u,v,w についてそれぞれ34,27,13である。したがって最小値は u だけへ配分した u=2 のときの 3、最大値は v だけへ配分した v=8/7 のときの 5/7 である。

非負解の集合は凸で、目的式は連続な一次式だから両端の間の値をすべてとる。よって33xy+z57である。

総評

難度6,計算量5。線形条件と順序条件から一次式の範囲を出す問題である。線形計画の頂点を探す方法でも解けるが,答案では不等式で上界・下界を作り,等号成立点を示すのが簡潔である。(2)では 3xy+z=(313y2z)/4 と変形したあと,最大化と最小化の向きが反転する点に注意する。目安時間は22分から25分。 最大・最小の候補を示すだけでは足りず、不等式または非負変数の予算式で全域の上下界を証明し、等号成立点を元の条件へ戻して確認する。

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出典: 北海道大学 2006年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。