方針
(1) は2次方程式の虚数解条件を判別式 D<0 として処理する。(2)では、(1)で得た k の範囲が開区間であることに注意しながら、まず定積分を k だけの3次関数に直す。あとは導関数の符号で増減を調べ、区間内の停留点 k=±1/11 が実際に最小・最大を与えることを確認する。端点 k=±21 は範囲に含まれないので、端点値を最大・最小として採用しない。
解答
(1)
方程式 x2−2kx−3k2+1=0 の判別式を D とする。虚数解をもつための条件は、実数解をもたないこと、すなわち D<0 である。ここで D=(−2k)2−4⋅1⋅(−3k2+1)=4k2+12k2−4=16k2−4 だから、16k2−4<0 となる。よって k2<41 であり、求める範囲は −21<k<21 である。
(2) k を定数として積分するとF(k)=∫0k(x2−2kx−3k2+1)dx=[3x3−kx2−3k2x+x]0k=3k3−k3−3k3+k=k−311k3である。したがって F′(k)=1−11k2 であり、−21<k<21 における停留点は k=±111 である。
導関数の符号は、F′(k)<0(−21<k<−111), F′(k)>0(−111<k<111), F′(k)<0(111<k<21) となる。よって F(k) は k=−1/11 で最小値を、k=1/11 で最大値をとる。
実際、F(111)=111−311⋅11111=3112であり、奇関数であるから F(−111)=−3112 である。したがって最小値 −3112,最大値 3112である。
端点と全体最大・最小の確認
k=±21 は許された範囲に含まれない。ただしその極限値は ±241 であり、3112>241なので、区間内の停留点で得た値が実際の全体最大・最小である。
別解
解法2(別観点)
方針
積分後の関数が奇関数であることを使い、正の範囲だけを調べる。微分の代わりに三次式を因数分解して上界を示し、等号条件から最大値を決める。
解答
(1)
判別式はD=16k2−4である。虚数解をもつ条件 D<0 より−21<k<21を得る。
(2)
積分するとF(k)=k−311k3であり、これは奇関数である。そこで 0≦k<21 だけを考え、u=11kとおく。このときF(k)=111(u−3u3).一方、32−u+3u3=3(u−1)2(u+2)≧0であるからF(k)≦3112.等号は u=1、すなわち k=111 のときに成立し、この値は許された範囲内にある。奇関数であることから負の側では符号が反転する。よって最小値 −3112,最大値 3112である。
総評
難度4、計算量4。判別式、定積分、3次関数の増減を順に処理する標準問題で、目安は12分程度である。採点上は、虚数解条件を D<0 とすること、F(k) の積分で −2kx と −3k2 をどちらも k 定数として扱うこと、k の範囲が開区間で端点を含まないことを明確に書く必要がある。停留点が区間内にあることを確認してから最小・最大を述べれば、計算自体は重くない。
問題・解答の積分・総和・極限は独立行に置き、分数は表示サイズで可読性を確保した。図は原問題の復元図または答案の論理関係を確認するための独自作図である。
冊子PDFで見る北大の方程式・不等式の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 2005年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。