方針
平面 z=t で切ると,条件は単位正方形 0≦x,y≦1 の中の (x−y)2≧1−t2 になる。r=1−t2 とおけば,断面は対角線 x=y から幅 r 以上離れた2つの直角二等辺三角形である。断面積 (1−r)2 を t=0 から 1 まで積分し,∫011−t2dt=4πを半径1の4分円の面積として用いる。
解答
(1) z=t で切る。ただし立体は 0≦z≦1 にあるので 0≦t≦1 である。このとき不等式は x2+y2+t2−2xy−1≧0 すなわち (x−y)2≧1−t2 となる。よって ∣x−y∣≧1−t2 である。 r=1−t2 とおく。断面は,単位正方形 0≦x≦1,0≦y≦1 のうち,対角線 x=y から r 以上離れた部分である。これは y≦x−r を満たす右下の三角形と,y≧x+r を満たす左上の三角形の和である。それぞれの直角辺の長さは 1−r なので,断面積は S(t)=2⋅21(1−r)2=(1−r)2 である。したがって S(t)=(1−1−t2)2 である。
(2)
体積は断面積を積分して∫01S(t)dt=∫01(1−1−t2)2dtである。展開すると (1−1−t2)2=2−t2−21−t2 であるから∫01S(t)dt=∫01(2−t2)dt−2∫011−t2dt=[2t−3t3]01−2⋅4π=35−2πである。よって求める体積は 35−2π である。
断面は単位正方形の対角線から離れた2つの直角二等辺三角形。
別解
解法2
方針
(1) は同じ断面図で確認し,(2)では (x,y) を固定して高さを積分する。差 u=∣x−y∣ が同じ点の重みが 2(1−u) になることを使い,三重積分を一変数へ落とす。
解答
(1) z=t とすると(x−y)2≧1−t2.r=1−t2 とおけば,単位正方形内で∣x−y∣≧rを満たす2つの直角二等辺三角形が断面になる。各直角辺は 1−r だからS(t)=(1−1−t2)2.(2) 今度は (x,y) を固定する。0≦x,y≦1 では ∣x−y∣≦1 なので1−(x−y)2≦z≦1.差 u=∣x−y∣ が u から u+du に入る単位正方形内の面積は 2(1−u)du である。よって体積は2∫01(1−u){1−1−u2}du.ここで∫01(1−u)du=21,∫01(1−u)1−u2du=4π−31だからV=2{21−(4π−31)}=35−2πである。
総評
難度6,計算量5。x2+y2−2xy=(x−y)2 と見抜くと,断面は円ではなく単位正方形内で対角線から離れた部分になる。r=1−t2 とおき,2つの直角二等辺三角形の辺の長さが 1−r であることを図に落とせるかが中心である。体積計算では∫011−t2dt=4πを4分円の面積として使う。断面図を正確に描ければ積分自体は軽く,20分程度が目安である。
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出典: 北海道大学 2007年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。