方針
最大位置は f′(x)=excosx の符号で決める。0≦x≦2π で cosx の符号が変わる点は π/2,3π/2 なので,増減表から局所最大候補と端点を洗い出す。値の比較には,部分積分で f(x)={ex(sinx+cosx)−1}/2 を出しておく。局所最大 x=π/2 と右端 x=2π を比較する。
解答
まず,微分積分学の基本定理より f′(x)=excosx である。ex>0 なので,f′(x) の符号は cosx の符号で決まる。したがって 0≦x≦2π では 0<x<2πおよび23π<x<2π で f は増加し,2π<x<23π で f は減少する。
よって最大値の候補は x=2πまたはx=2π である。左端 x=0 は増加の始点なので最大ではない。
値を比較するために f(x) を求める。部分積分、または右辺を微分して確認することにより∫etcostdt=2et(sint+cost)である。したがってf(x)=∫0xetcostdt=[2et(sint+cost)]0x=2ex(sinx+cosx)−1である。
よって f(2π)=2eπ/2−1 であり,f(2π)=2e2π−1 である。明らかに e2π>eπ/2 だから f(2π)>f(2π) である。
したがって最大値をとるのは x=2π であり,最大値は 2e2π−1 である。
総評
難度5,計算量4。積分で定義された関数だが,最大位置はまず導関数 f′(x)=excosx の符号で判断するのが自然である。x=π/2 は局所最大だが,区間右端 2π でも増加して終わるため,端点比較を必ず行う必要がある。明示式を出してから値を比べると安全である。目安時間は15分から18分。 局所最大 x=π/2 だけで結論にせず、再び増加して到達する右端 x=2π と値を比較する。端点比較がこの問題の主要な採点点である。
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出典: 北海道大学 2006年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。