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北海道大学 2008年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

関数y=sinxのグラフ上に3点P(x1,sinx1)Q(x2,sinx2)(0<x1<x2<π)E(π,0)を取る.
原点をOとし,四角形OPQEの面積をSとする.

(1) 方程式xcosx+sinx=00<x<πの範囲で解を1つだけもつことを示せ.

(2) (1)で得られた解をaとおき,Q(a,sina)に固定し,点Pを動かす.
このときSが最大となるx1とその最大値Saaを用いて表せ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安24

微分積分三角関数 微分による最大最小面積計算、一意性証明

方針

(1)0<x<π/2π/2<x<π に分け,後者で方程式を tanx+x=0 に直して単調性で一意性を示す。(2)では Q=(a,sina) を固定し,0<x1<a で四角形を折れ線の下の面積として表す。面積関数を微分し,(1)で得た acosa+sina=0 を使って臨界点 x1=πa を区間内に見つける。

解答

(1) h(x)=xcosx+sinx とおく。

まず 0<x<π/2 では x>0cosx>0sinx>0 であるから h(x)>0 である。したがってこの範囲には解はない。

次に π/2<x<π を考える。この範囲では cosx<0 なので,方程式 xcosx+sinx=0cosx で割って x+tanx=0 と同値である。 φ(x)=x+tanx とおくと φ(x)=1+1cos2x>0 であるから,φ(x)(π/2,π) で単調に増加する。またlimxπ/2+0φ(x)=,limxπ0φ(x)=π>0である。したがって φ(x)=0,すなわち xcosx+sinx=00<x<π でただ1つの解をもつ。

Q=(a,sina) を固定し、P を曲線上で動かす。面積は折れ線下の3つの台形の和で表せる。

(2)
(1)の解を a とする。上の議論より π2<a<π である。 P=(x1,sinx1)Q=(a,sina) とする。0<x1<a<π であり,四角形 OPQEx 軸上の [0,π] を底とし,上側が折れ線 OPQE になっている。したがって面積は3つの台形または三角形に分けてS=12x1sinx1+12(ax1)(sinx1+sina)+12(πa)sinaである。整理すると S=12{asinx1+(πx1)sina} となる。

これを x1 で微分すると dSdx1=12{acosx1sina} である。aacosa+sina=0 を満たすので sinaa=cosa である。また cos(πa)=cosa だから sinaa=cos(πa) である。

よって dS/dx1=0 となる点は cosx1=cos(πa) を満たす。0<x1<a で,しかも 0<πa<π/2<a だから x1=πa がただ1つの臨界点である。

さらに d2Sdx12=12asinx1<0 であるから,この点で S は最大となる。最大値は Sa=12{asin(πa)+(π(πa))sina} である。sin(πa)=sina より Sa=12(asina+asina)=asina である。

したがって x1=πa,Sa=asina である。

別解

解法2(接線の平行条件を使う方法)

方針

四角形を固定された三角形 OQE と三角形 OPQ に分ける。前者の面積は一定なので、後者の面積を最大にすればよい。底辺 OQ を固定した三角形の面積が最大となる点では、曲線の接線が OQ と平行になる。

解答

(1) π2<x<π では、方程式はtanx=xと同値である。左辺 tanx から0まで単調増加し、右辺 x は単調減少するので、交点は高々1つである。またlimxπ/2+0(tanx+x)=,limxπ0(tanx+x)=π>0だから、中間値の定理により交点は実際に1つ存在する。0<xπ/2 では xcosx+sinx>0 なので、全体でも解はただ1つである。

(2)

Q=(a,sina)E=(π,0) は固定されている。四角形 OPQE は、固定された三角形 OQE と三角形 OPQ の和である。したがって、S を最大にするには、底辺 OQ が固定された三角形 OPQ の面積を最大にすればよい。

P が曲線 y=sinx 上を動くとき、直線 OQ から P までの距離が極大となる点では、P における接線が OQ と平行になる。直線 OQ の傾きはsinaaであり、P における接線の傾きは cosx1 である。よって極大条件はcosx1=sinaaである。

acosa+sina=0 よりsinaa=cosa=cos(πa)である。また π/2<a<π なので 0<πa<a であり、0<x1<a における解はx1=πaだけである。曲線 y=sinx0<x<π で上に凸なので、この点で距離、したがって面積は最大になる。

面積はS=12{asinx1+(πx1)sina}だから、x1=πa を代入してSa=12{asin(πa)+asina}=asinaを得る。

総評

難度は10段階中7、計算量は10段階中6。試験場での目安は24分で、三角方程式の一意性と面積最大化をつなぐ良問である。採点点は、tanx+x の単調性で解の存在範囲を (π/2,π) に確定すること、面積を S={asinx1+(πx1)sina}/2 と正しく表すことである。acosa+sina=0sina/a=cosa に直すと、臨界点 x1=πa が自然に見える。点の順序 0<x1<a<π を答案中で確認しておくと、面積式と最大点の妥当性が明確になる。

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出典: 北海道大学 2008年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。