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北海道大学 2008年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

2次正方行列AEOA=(1a02),E=(1001),O=(0000)とする.ただし,aは実数とする.

(1) AXXA=Oとなる2次正方行列Xに対して,
X=sE+tAとなる実数stが存在することを示せ.

(2) 1と異なる数kと0と異なる2次正方行列Yが,
AYkYA=Oを満たすとする.
このようなkYをすべて求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安24

行列 文字消去、場合分け、必要十分条件

方針

どちらも一般の2次行列を成分で置いて直接計算する。(1)では AXXA=O から w=0v=a(zu) を得て,その形が sE+tA と一致するように s,t を選ぶ。(2)では AYkYA=O の4本の成分方程式を立て,k=2k2 に分ける。さらに問題文で k1YO が指定されているため,零行列しか出ない場合を除外する。

解答

(1) X=(uvwz)とおく。積を順に展開するとAX=(1a02)(uvwz)=(u+awv+az2w2z)であり,XA=(uvwz)(1a02)=(uau+2vwaw+2z)である。したがってAXXA=(awazauvwaw)である。

これが零行列であるから w=0,v=a(zu) である。よってX=(ua(zu)0z)と書ける。

ここで t=zu,s=2uz とおくとsE+tA=s(1001)+t(1a02)=(s+tta0s+2t)である。上の s,t を代入すると s+t=(2uz)+(zu)=u, ta=a(zu), s+2t=(2uz)+2(zu)=z だから sE+tA=X である。よって示された。

(2) Y=(uvwz)とおく。AYkYA の各成分を比較すると AYkYA=O は次の4本の式と同値である。 (1k)u+aw=0, (12k)v+azkau=0, (2k)w=0, kaw+2(1k)z=0. まず k=2 とする。このとき第1式から u+aw=0 なので u=aw である。また第4式から 2aw2z=0 なので z=aw である。第2式は 3v+az2au=0 であり,上の u,z を代入すると 3va2w2a2w=0 だから v=a2w である。したがってY=w(aa21a)である。YO であるためには w0 が必要であり,このとき確かに非零行列になる。

次に k2 とする。第3式より w=0 である。問題文より k1 でもあるから,第1式と第4式から u=0,z=0 である。すると第2式は (12k)v=0 となる。非零行列 Y を得るには v0 でなければならないので 12k=0 すなわち k=12 である。このときY=(0v00)(v0)がすべての解である。

以上より,求める組はk=2,Y=w(aa21a)(w0)またはk=12,Y=(0v00)(v0)である。

総評

難度は10段階中6、計算量は10段階中5。試験場での目安は24分で、成分計算を丁寧に処理できるかを問う問題である。採点点は、(1)で交換する行列の形を求めて sE+tA に戻すこと、(2)で k=2k2 を分け、さらに k1YO の条件を反映することにある。式の本数が多いので、成分方程式を縦に並べてから場合分けすると見落としを防げる。a=0 の場合も含めて同じ表示で成立する点を確認しておくと安心である。

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出典: 北海道大学 2008年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。