Evolton

北海道大学 2016年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

a>0に対し,関数f(x)f(x)=aa{ex2a+f(t)sint}dtをみたすとする。

(1)
f(x)を求めよ。

(2)
0<a2πにおいて,g(a)=aaf(t)sintdtの最小値とそのときのaの値を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安22

積分関数 定積分評価微分による最大最小文字消去

方針

積分方程式の右辺ではxに依存する部分がexだけなので,g(a)=aaf(t)sintdtとおくとf(x)=ex+g(a)になる。これを定義式へ戻すとg(a)=aaetsintdtで決まる。(2)は得られたg(a)={(eaea)cosa(ea+ea)sina}/2を微分し,g(a)=(eaea)sinaの符号から0<a2πでの増減を調べる。

解答

(1) g(a)=aaf(t)sintdt とおく。問題の式では,右辺の積分の中でxに依存するのはex/(2a)だけであるから f(x)=aaex2adt+aaf(t)sintdt である。第1項は aaex2adt=ex なので f(x)=ex+g(a) である。

これをg(a)の定義に代入すると g(a)=aa{et+g(a)}sintdt である。sintは奇関数なので aag(a)sintdt=0 である。したがって g(a)=aaetsintdt である。ここで etsintdt=et(sint+cost)2 だからg(a)=[et(sint+cost)2]aa=(eaea)cosa(ea+ea)sina2である。よって f(x)=ex+(eaea)cosa(ea+ea)sina2 である。

(2)
(1)で得た g(a)=(eaea)cosa(ea+ea)sina20<a2πで最小にする。微分するとg(a)=(ea+ea)cosa(eaea)sina2(eaea)sina+(ea+ea)cosa2=(eaea)sinaである。a>0ではeaea>0なので,g(a)の符号はsinaの符号で決まる。

したがってg(a)(0,π)で減少し,(π,2π)で増加する。よって最小となるのは a=π のときであり,最小値はg(π)=(eπeπ)cosπ(eπ+eπ)sinπ2=eπeπ2である。

別解

解法2

方針

未知関数を含む定積分をxによらない定数g(a)として分離し,f(x)=ex+g(a)を得て定義へ戻す。対称区間とsintの奇関数性からg(a)だけの項を消す。(2)では閉じた式を先に微分せず,h(t)=etsintとして積分区間の両端が動くときの変化からg(a)=h(a)+h(a)を求め,符号と端点を調べる。

解答

(1) g(a)=aaf(t)sintdtとおくと,問題の式からf(x)=ex+g(a)である。これをg(a)へ代入すると,対称区間上でsintの積分が0になるためg(a)=aaetsintdt.よってg(a)=(eaea)cosa(ea+ea)sina2であり,f(x)=ex+g(a)となる。

(2)
h(t)=etsintとおく。積分区間の両端の変化を考えるとg(a)=h(a)+h(a)=(eaea)sina.a>0ではeaea>0だから,g(0,π)で減少し,(π,2π)で増加する。したがって最小はa=πで,g(π)=eπeπ2である。

総評

難度6,計算量5。目安時間は22分で,見通しが立てば標準的な得点源である。主な採点点は,未知関数を含む積分をxによらない定数g(a)として分離すること,対称区間でsintの積分が0になること,g(a)=(eaea)sinaから増減を正しく読むことである。積分変数tと外側の変数xを混同しないこと,a>0で指数部分が正であること,端点2πも比較対象に含めることが重要である。答案は定数分離,g(a)の表示,導関数の符号,最小値の代入の4段に分けると明快になる。

冊子PDFで見る北大の積分の問題で問題集を作る

出典: 北海道大学 2016年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。