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北海道大学 2016年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

空間の2点A(0,0,2)B(0,1,3)を通る直線をlとし,
2点C(1,0,0)D(1,0,1)を通る直線をmとする。
aを定数として,l上にもm上にもない点P(s,t,a)を考える。

(1)
Pからlに下ろした垂線とlの交点をQとし,
Pからmに下ろした垂線とmの交点をRとする。
QRの座標をそれぞれs,t,aを用いて表せ。

(2)
Pを中心とし,lmがともに接するような球面が存在するための条件を
s,t,aの関係式で表せ。

(3)
s,tと定数aが(2)の条件をみたすとき,
平面上の点(s,t)の軌跡が放物線であることを示し,
その焦点と準線をaを用いて表せ。

難易度7/ 10計算量7/ 10目安28

ベクトル図形と方程式 座標設定軌跡ベクトル成分計算内積の利用

方針

直線lmをそれぞれパラメータ表示し,垂線の足は方向ベクトルとの内積が0になる条件で求める。球面が両直線に接するには,中心Pから2直線までの距離が等しければよいので,PQ2=PR2を整理する。(3)ではその条件を(t+a2)2=4{s+(a1)(a3)/2}の標準形に直し,放物線の焦点と準線を読む。

解答

(1)
直線l(0,r,2+r) と表せる。方向ベクトルは(0,1,1)である。Q=(0,r,2+r)P(s,t,a)からlに下ろした垂線の足であるためには QP=(s,tr,a2r)(0,1,1)と垂直であればよい。したがって (tr)+(a2r)=0 であり r=t+a22 である。よって Q=(0,t+a22,t+a+22) である。

直線m(1,0,u) と表せ,方向ベクトルは(0,0,1)である。R=(1,0,u)が垂線の足であるためには (s1,t,au)(0,0,1)=0 であればよいからu=aである。したがって R=(1,0,a) である。

(2)
中心Pの球面がlmの両方に接するための必要十分条件は,Pからlまでの距離と,Pからmまでの距離が等しいことである。問題の仮定よりPはどちらの直線上にもないので,共通の距離は正であり,これを半径とする球面が定まる。したがって条件はPQ2=PR2である。

(1) の結果からPQ2=s2+(ta+22)2+(at22)2=s2+(ta+2)22である。また PR2=(s1)2+t2 である。したがって条件は s2+(ta+2)22=(s1)2+t2 である。整理すると a22at4a+4st2+4t+2=0 である。

(3)
(2)の式をs,tについて整理する。 4s=t2+2(a2)ta2+4a2 である。ここで左辺に移すために平方完成すると 4{s+(a1)(a3)2}=(t+a2)2 である。 X=s+(a1)(a3)2,Y=t+a2 とおくと Y2=4X である。これはX軸の正の向きに開く放物線であり,焦点は(X,Y)=(1,0),準線はX=1である。元の(s,t)座標に戻すと,焦点は (1(a1)(a3)2,2a) であり,準線は s=1(a1)(a3)2 である。したがって点(s,t)の軌跡は放物線である。

別解

解法2

方針

(1) は方向ベクトルへの正射影を用いて垂線の足を求める。(2)では直線lの方向に垂直な2方向(1,0,0)(0,1,1),直線mの方向に垂直な2方向(1,0,0)(0,1,0)へずれを分解し,外積を使わずに2直線までの距離を独立に求める。得られた距離の二乗を等置し,(3)で平方完成して放物線の標準形へ直し,焦点と準線を元の座標へ戻す。

解答

(1)
直線lの方向ベクトルをd=(0,1,1)とする。点A=(0,0,2)を通るので,正射影からQ=A+(PA)dddd=(0,t+a22,t+a+22)を得る。直線mは点C=(1,0,0)を通り,方向ベクトルがe=(0,0,1)だからR=C+(PC)eeee=(1,0,a)である。

(2)
直線lに垂直なベクトルとしてp=(1,0,0)q=(0,1,1)をとる。これらは互いに垂直で,p=1q=2である。AP=(s,t,a2)p,q方向の成分の長さはそれぞれsat2/2だから,三平方の定理よりd(P,l)2=s2+(ta+2)22である。一方,直線mz軸に平行なので,CP=(s1,t,a)のうち直線に垂直な成分は(s1,t,0)である。したがってd(P,m)2=(s1)2+t2となる。両直線に接する球面が存在するための必要十分条件は,中心Pから両直線までの距離が等しいことである。問題の仮定よりPは両直線上にないので,共通の距離は正であり,これを半径にできる。二乗を等置して展開するとa22at4a+4st2+4t+2=0を得る。

(3)
(2)の式をs,tについて平方完成すると(t+a2)2=4{s+(a1)(a3)2}である。X=s+(a1)(a3)2Y=t+a2とおけばY2=4Xとなる。よって軌跡は右向きの放物線で,焦点は(1(a1)(a3)2, 2a)準線はs=1(a1)(a3)2である。

総評

難度7,計算量7。目安時間は28分で,空間ベクトルの処理と軌跡の標準形まで完遂できるかが差になる。主な採点点は,内積0または正射影で垂線の足Q,Rを正しく求めること,球面の存在を2直線までの距離の一致という必要十分条件へ直すこと,平方完成後に焦点と準線を元の(s,t)座標へ戻すことである。距離を二乗せず平方根のまま計算すること,ta+2の符号,平行移動の向きを誤ることが典型的な失点である。答案は足,距離の二乗,放物線の標準形の3段に分け,高校範囲の内積と直交分解だけで処理すると安定する。

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出典: 北海道大学 2016年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。