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北海道大学 2016年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

(1)
次の方程式が異なる3つの0でない実数解をもつことを示せ。x3+x22x1=0()(2)
方程式(*)の3つの実数解をs,t,uとし,数列{an}an=sn1(st)(su)+tn1(tu)(ts)+un1(us)(ut)(n=1,2,3,)によって定める。このとき,an+3+an+22an+1an=0(n=1,2,3,)が成り立つことを示せ。

(3)
(2)のanがすべて整数であることを示せ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安26

方程式・不等式数列整数 解と係数の関係、漸化式の変形数学的帰納法

方針

(1) は多項式F(x)=x3+x22x1の符号を互いに交わらない3区間で調べ,異なる3実根の存在を示す。(2)は各根r=s,t,uが満たす方程式にrn1を掛け,定義式の3項を足して漸化式を得る。(3)では,2次以下の多項式を三根で一致する3つの二次式の和として表す恒等式を「3点で一致する2次式は同一」という高校範囲の事実から証明する。そこへ1,x,x2を代入して初期値a1=0,a2=0,a3=1を求め,整数係数の漸化式と帰納法で結論する。

解答

(1) F(x)=x3+x22x1 とおく。値を調べると F(2)=1,F(1)=1 なので,(2,1)に少なくとも1つの実数解がある。また F(1)=1,F(0)=1 なので,(1,0)にも少なくとも1つの実数解がある。さらに F(1)=1,F(2)=7 なので,(1,2)にも少なくとも1つの実数解がある。

3次方程式は実数解を重複を込めて高々3つしか持たない。上で得た3つの区間は互いに交わらないので,方程式は異なる3つの実数解を持つ。どの区間も0を含まないので,これらはすべて0でない実数解である。

(2) rを方程式の解s,t,uのいずれかとする。すると r3+r22r1=0 である。r0なので,これにrn1を掛けて rn+2+rn+12rnrn1=0 を得る。

この等式を,r=s,t,uそれぞれについて,定義式に現れる分母で割って足し合わせると an+3+an+22an+1an=0 となる。分母が0でないのは,(1)よりs,t,uが互いに異なるからである。

(3)
まず初めの3項を求める。任意の2次以下の多項式G(x)に対してH(x)=G(s)(xt)(xu)(st)(su)+G(t)(xu)(xs)(tu)(ts)+G(u)(xs)(xt)(us)(ut)とおく。H(s)=G(s)H(t)=G(t)H(u)=G(u)である。したがって2次以下の多項式H(x)G(x)は異なる3数s,t,uを根にもつので,恒等的に0である。よってH(x)=G(x)であり,両辺のx2の係数を比べるとG(s)(st)(su)+G(t)(tu)(ts)+G(u)(us)(ut)G(x)x2の係数に等しい。

ここでG(x)=1,x,x2を順に代入すると,それぞれのx2の係数からa1=0,a2=0,a3=1を得る。(2)の漸化式は an+3=an+2+2an+1+an と書ける。右辺の係数はすべて整数であり,初期値a1,a2,a3も整数である。したがって数学的帰納法により,すべてのnについてanは整数である。

別解

解法2

方針

(1) は多項式の符号変化,(2)は各根が満たす三次方程式をそのまま用いる。(3)では補間の恒等式を使わず,共通分母Δ=(st)(su)(tu)へ3項を通分する。a1,a2の分子が0,a3の分子がΔになることを式で示し,初期値0,0,1と整数係数の漸化式から帰納的に整数性を結論する。

解答

(1)
F(x)=x3+x22x1とおくと,F(2)<0<F(1),F(1)>0>F(0),F(1)<0<F(2)である。互いに交わらない3区間に1根ずつあり,3次方程式なのでこれらが異なる3実根のすべてである。各区間は0を含まない。

(2)
各根r=s,t,uについてrn+2+rn+12rnrn1=0である。これを各項の分母で割って3根について足すとan+3+an+22an+1an=0を得る。

(3) Δ=(st)(su)(tu)とおく。通分するとa1=(tu)(su)+(st)Δ=0,a2=s(tu)t(su)+u(st)Δ=0,a3=s2(tu)t2(su)+u2(st)Δ=1.最後の分子はs2(tu)t2(su)+u2(st)=(st)(stsutu+u2)=(st)(su)(tu)=Δと因数分解できる。(2)からan+3=an+2+2an+1+anであり,整数の3項から次の整数項が定まる。初期値が0,0,1なので,帰納法によりすべてのanは整数である。

総評

難度7,計算量6。目安時間は26分で,(1)(2)を確保し,(3)が合否を分けやすい。主な採点点は,互いに交わらない3区間で符号変化を示して異なる3実根を確定すること,各根の方程式から添字の合った漸化式を作ること,初期値a1=0,a2=0,a3=1を根の具体値なしに証明することである。3点で一致する2次式の恒等式は答案内で証明して使い,名称だけに頼らないことが重要である。通分解法では分母の符号をそろえ,漸化式ではan+3までの添字を一行ずつ確認したい。

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出典: 北海道大学 2016年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。