Evolton

北海道大学 2017年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

関数f(x)=1+sinxxcosxについて、次の問いに答えよ。

(問1) 0x2π における増減を調べ、最大値と最小値を求めよ。

(問2) f(x) の不定積分を求めよ。

(問3)02πf(x)dxを求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

三角関数微分積分 増減表定積分評価、絶対値の処理

方針

導関数 f(x)=xsinx から、[0,π] で増加、[π,2π] で減少と分かる。絶対値積分では、単調性と f(3π/2)=0 により零点が1つだけであることを確認し、そこで正負を分ける。不定積分 F(x)=xxsinx2cosx を用いて面積を計算する。

解答

(1) f(x)=1+sinxxcosx であるから、f(x)=cosx(cosxxsinx)=xsinx である。0<x<π では x>0 かつ sinx>0 なので f(x)>0π<x<2π では sinx<0 なので f(x)<0 である。したがって f(x)[0,π] で増加し、[π,2π] で減少する。

端点と山の値は f(0)=1,f(π)=1+π,f(2π)=12π である。よって最大値は 1+π 最小値は 12π である。

(2)
部分積分を用いると xcosxdx=xsinx+cosx である。したがってf(x)dx=(1+sinxxcosx)dx=xcosx(xsinx+cosx)+Cより f(x)dx=xxsinx2cosx+C である。

(3)
(1) より [0,π] では f(x)f(0)=1>0 である。また [π,2π] では単調減少し、f(3π2)=113π20=0 である。したがって f(x)00x3π/2f(x)03π/2x2π で成り立つ。 F(x)=xxsinx2cosx とおくと、(2) より F(x)=f(x) である。値を計算するとF(0)=2,F(3π2)=3π,F(2π)=2π2である。よって02πf(x)dx=03π2f(x)dx3π22πf(x)dx ={3π(2)}{(2π2)3π}=4π+4 である。

別解

解法2

方針

導関数 xsinx の符号表で零点の位置まで確定する。不定積分は xsinx+2cosx の微分を逆向きに読む。絶対値積分は符号付き全積分から負の部分を2回差し引く。

解答

(問1)f(x)=xsinx.したがって f[0,π] で増加し、[π,2π] で減少する。値はf(0)=1,f(π)=1+π,f(2π)=12π.よって最大値は 1+π、最小値は 12π である。

(問2)ddx{xsinx+2cosx}=xcosxsinxであるからf(x)dx=xxsinx2cosx+C.(問3)

[0,π] では f>0 であり、[π,2π] では単調減少する。さらにf(3π2)=0なので、負となるのは 3π/2<x2π だけである。原始関数をF(x)=xxsinx2cosxとおくとF(0)=2,F(3π2)=3π,F(2π)=2π2.符号付き全積分は02πf(x)dx=2πであり、負の部分の積分は3π/22πf(x)dx=π2.したがって02πf(x)dx=2π2(π2)=4π+4.

総評

難度6、計算量5。想定時間は20分程度。f(x)=xsinx により増減と零点の一意性を同時に確定する。積分はすべて独立表示し、絶対値積分は区間分割と「全積分から負部分を2回引く」方法で 4π+4 を照合した。

冊子PDFで見る北大の三角関数の問題で問題集を作る

出典: 北海道大学 2017年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。