Evolton

北海道大学 2017年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

複素数平面上に、原点 O と2点 A,B を頂点とする三角形 OAB がある。その外心を P とする。点 A,B,P を表す複素数をそれぞれ α,β,z とし、αβ=zが成り立つとする。

(問1) α の満たす条件を求め、点 A(α) の軌跡を図示せよ。

(問2) 点 P(z) の存在範囲を求め、複素数平面上に図示せよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安26

複素数平面図形と方程式 実部虚部比較、軌跡円の性質

方針

外心条件を z=zα=zβ と書き、z=αβ を代入して α=α1β=β1 を得る。よって α,β はともに実部 1/2 の直線上にある。α=1/2+uiβ=1/2+vi とおいて z=αβ の実部・虚部を計算し、uv による境界除外まで確認する。

解答

(1)
P(z) は三角形 OAB の外心なので z=zα=zβ である。また仮定より z=αβ である。B は原点 O と異なるので β0 である。そこで z=zβz=αβ を代入すると αβ=αββ=βα1 となる。β0 で割って α=α1 を得る。

これは点 A(α) が複素数平面上の2点 0,1 から等距離にあることを表す。したがって A は線分 [0,1] の垂直二等分線上にあり、Reα=12 を満たす。すなわち α=12+ui である。ただし u は実数である。点 A の軌跡は、実部が 1/2 である直線である。

(2)
同様に z=zαz=αβ を代入すると β=β1 である。よって α=12+ui,β=12+vi とおける。三角形 OAB が退化しないためには AB であり、この表示では uv である。

このときz=αβ=(12+ui)(12+vi)=(14uv)+u+v2iである。z=X+Yi と書くと Y=u+v2,X=14uv である。和 u+v=2Y を固定すると、2つの実数 u,v について uv(u+v2)2=Y2 であり、等号は u=v のときに限る。ここでは uv なので uv<Y2 である。したがって X=14uv>14Y2 を得る。

逆に、X>1/4Y2 を満たす点 X+Yi に対しては、和 2Y、積 1/4X をもつ相異なる2実数 u,v を選べる。よって点 P(z) の存在範囲は X>14Y2 で表される領域である。境界の放物線 X=1/4Y2 は含まない。

別解。外心 P(z) を中心とし原点を通る円は、任意の点 w について wz=z すなわち w2=2Re(wz) で表される。ここに w=αz=αβ を代入するとα2=2Re(ααβ)=2α2Reβであり、α0 より Reβ=1/2 を得る。同様に w=β から Reα=1/2 が出る。以後は主解と同じく α=1/2+uiβ=1/2+vi と置いて範囲を求めればよい。

別解

解法2

方針

原点を通り中心が z の円を w2=2Re(wz) と表す。ここへ w=α,βz=αβ を代入して両点の実部を直接決める。最後は和と積をもつ相異なる2実数の判別式で z の範囲を得る。

解答

(問1)

外接円は中心 z で原点を通るから、円上の複素数 wwz=zを満たす。平方して整理するとw2=2Re(wz).ここに w=βz=αβ を代入する。β2=2Re(βαβ)=2β2Reα.β0 よりReα=12.したがって点 A の軌跡は直線 X=1/2 である。

(問2)

同様に w=α を代入するとReβ=12.よって実数 u,v を用いてα=12+ui,β=12+viと書ける。三角形が退化しない条件は uv である。z=αβ=(14uv)+u+v2i.z=X+Yi とおけば、u,vt22Yt+(14X)=0の相異なる2実根である。判別式が正である条件は(2Y)24(14X)>0,すなわちX>14Y2.逆にこの不等式が成り立てば相異なる実根 u,v が存在するので十分でもある。

境界の放物線 X=1/4Y2 は含まない。

総評

難度7、計算量6。想定時間は26分程度。距離の等式と外接円の方程式の2経路から Reα=Reβ=1/2 を得た。点 P の存在範囲はX>14Y2であり、境界を除く理由は u=v で三角形が退化するためである。必要性だけでなく逆向きの構成も確認した。

冊子PDFで見る北大の複素数平面の問題で問題集を作る

出典: 北海道大学 2017年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。