Evolton

北海道大学 2017年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

座標平面上の3点A(1,0),B(3,1),C(2,2)を頂点とする三角形の内部と境界を T とする。実数 a に対してAP2+BP2+CP2aを満たす点 P の全体を D とする。

(問1) D が少なくとも1点を含むための a の範囲を求めよ。

(問2) DT を含むための a の範囲を求めよ。

(問3) 問1の条件のもとで、DT に含まれるための a の範囲を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安24

図形と方程式ベクトル 座標設定、範囲評価、図形的解釈

方針

二乗和は重心 G を中心に AP2+BP2+CP2=3PG2+ 定数と書ける。これにより D は中心 G の円板になる。(1) は半径が実数になる条件、(2) は三角形全体を含むために最も遠い頂点まで届く条件、(3) は円板が三角形内に収まるために中心から各辺までの最小距離以下である条件を調べる。

解答

三角形 ABC の重心を G とすると G(1+3+23,0+1+23)=(2,1) である。任意の点 P について、重心の性質より AP2+BP2+CP2=3PG2+AG2+BG2+CG2 である。実際、GA+GB+GC=0 を用いて展開すれば交差項が消える。

ここで AG2=(12)2+(01)2=2,BG2=1,CG2=1 であるから AP2+BP2+CP2=3PG2+4 となる。したがって DPG2a43 で表される、中心 G の円板である。

(1) D が少なくとも1点を含むためには、右辺が0以上であればよい。よって a430 すなわち a4 である。

(2) D は円板で凸であり、三角形 T も3頂点の凸包である。したがって DT 全体を含むためには、3頂点 A,B,CD に含まれれば十分かつ必要である。G からの距離の2乗は AG2=2,BG2=1,CG2=1 なので、必要十分条件は a432 である。よって a10 である。

(3) DT に含まれるには、中心 G から三角形の各辺までの距離の最小値以下に、円板の半径を抑えればよい。各辺の方程式は AB:x2y1=0, BC:x+y4=0, CA:2xy2=0 である。点 G(2,1) からこれらの直線までの距離は順に2215=15,2+142=12,4125=15である。最小値は 1/5 である。

したがって a4315 が必要十分であり、a4315 となる。(1) の条件 a4 と合わせて 4a235 である。

別解

解法2

方針

P=(x,y) として距離の二乗を直接展開し、平方完成で D を円板として読む。包含の向きに応じ、問2では最遠頂点、問3では中心から最寄りの辺までの距離を調べる。

解答

P=(x,y) とする。直接展開して平方完成するとAP2+BP2+CP2=(x1)2+y2+(x3)2+(y1)2+(x2)2+(y2)2=3(x2)2+3(y1)2+4.したがって D は中心 G=(2,1)、半径ρ=a43の円板である。

(問1)

実数の半径をもつ条件はa4.(問2)

円板は凸集合なので、三角形 T を含むための必要十分条件は3頂点を含むことである。GA2=2,GB2=GC2=1.よってρ22すなわちa10.(問3)

3辺の方程式はAB:x2y1=0,BC:x+y4=0,CA:2xy2=0.G からの距離は順に15,12,15.したがって円板全体が T に含まれる条件は0ρ15.よって4a235.

総評

難度6、計算量5。想定時間は24分程度。重心公式と座標の平方完成の2通りでAP2+BP2+CP2=3PG2+4を確認した。問2は最遠頂点、問3は最寄りの辺を見る。答えは順に a4a104a23/5 である。

冊子PDFで見る北大の図形と方程式の問題で問題集を作る

出典: 北海道大学 2017年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。