Evolton

北海道大学 2020年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

関数f(θ)=12sin2θsinθ+cosθ(0θπ)を考える。

(1) t=sinθcosθとおく。f(θ)tの式で表せ。

(2) f(θ)の最大値と最小値,およびそのときのθの値を求めよ。

(3) aを実数の定数とする。
f(θ)=aとなるθがちょうど2個であるようなaの範囲を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

三角関数関数 置換、範囲評価、グラフの概形

方針

t=sinθcosθによりsin2θ=1t2と変形し、f(θ)をtの二次関数F(t)に帰着する。次に0θπにおけるtの範囲と、同じtを与えるθの個数を調べる。最大最小はF(t)の頂点と端点で決まり、解の個数はF(t)=aのt解の位置が[1,1)[1,2)かで重みが変わることを使って数える。

解答

(1) t=sinθcosθ とおく。両辺を2乗すると t2=sin2θ2sinθcosθ+cos2θ=1sin2θ である。したがって sin2θ=1t2 である。また sinθ+cosθ=t なのでf(θ)=12sin2θsinθ+cosθ=1t22tである。

(2) t=sinθcosθ=2sin(θπ4) である。0θπ では π4θπ43π4 だから 1t2 である。 F(t)=1t22t とおくと、これは上に凸の二次関数である。平方完成するとF(t)=12(t+22)2+324であるから、最大値は 324 であり、このとき t=22 である。すなわち 2sin(θπ4)=22 より sin(θπ4)=12 である。範囲 π4θπ43π4 においてこれをみたすのは θπ4=π6 だけなので θ=π12 である。

最小値は、上に凸の二次関数を区間 [1,2] で見るので、端点で比較すればよい。 F(1)=1,F(2)=322 だから、最小値は 322 であり、このとき t=2 である。したがって sin(θπ4)=1 より θ=3π4 である。

(3)
まず、t の値に対して対応する θ の個数を確認する。t=2sin(θπ4) で、θπ4[π4,3π4] を動く。したがって 1t<1 では対応する θ は1個、1t<2 では対応する θ は2個、t=2 では1個である。

次に F(t)=a の解の位置を調べる。F(t)t=22 で最大値 324 をとり、そこから右側では単調減少する。また F(1)=1,F(1)=1,F(2)=322 である。 1<a<324 のとき、F(t)=a1<t<1 に2つの解をもち、それぞれ1個ずつの θ を与えるので、解はちょうど2個である。a=1 のときも、t=11<t<1 のもう1つの解に対応して、やはり θ はちょうど2個である。

一方、322<a<1 のとき、F(t)=a1<t<2 に1つの解をもち、その t に対応する θ が2個ある。a=1 のときは t=1 となり、これに対応する θ が2個ある。

以上より、f(θ)=a となる θ がちょうど2個であるような a の範囲は 322<a1,1a<324 である。

別解

解法2(導関数で増減を直接調べる)

方針

置換後の二次関数を使わず、元の関数を微分して増減区間を直接決める。φ=θπ/4 と置くと導関数が積に因数分解でき、極大点・極小点と端点の値から、水平線との交点数をそのまま数えられる。

解答

(1)
t=sinθcosθ とおくとt2=1sin2θであるからf(θ)=1t22tとなる。

(2)
元の関数を微分するとf(θ)=2cos2θsinθcosθである。ここで φ=θπ/4 と置けばcos2θ=sin2φ,sinθ+cosθ=2cosφよりf(θ)=2cosφ(2sinφ+1)と因数分解できる。範囲は π/4φ3π/4 なので、内部の停留点はθ=π12,θ=3π4である。符号を調べると、f[0,π/12] で増加、[π/12,3π/4] で減少、[3π/4,π] で増加する。主要な値はf(0)=1,f(π12)=324,f(3π4)=322,f(π)=1である。したがって最大値は 32/4θ=π/12、最小値は 32/2θ=3π/4 のときである。

(3)
上の3つの単調区間で水平線 y=a との交点を数える。極小値より大きく 1 以下なら、減少区間と最後の増加区間に1個ずつ交点がある。また、1 以上で極大値より小さければ、最初の増加区間と中央の減少区間に1個ずつ交点がある。端点 a=1,1 は含み、極値そのものは接点1個だけなので含まない。よって322<a1,1a<324である。

総評

三角関数をtの二次関数へ落とす問題だが、最後はtとθの対応個数が本体である。目安時間は18分。(1)(2)は平方完成まで自然に進むが、(3)では値域だけを見ても足りない。特にt=1ではθが2個、t=2では1個になるため、端点の扱いが得点差になる。F(1)=1,F(1)=1,F(2)=32/2を基準値として書き出すと、範囲の開閉を間違えにくい。

冊子PDFで見る北大の三角関数の問題で問題集を作る

出典: 北海道大学 2020年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。