方針
まず f(x) を x−(k−1) と2次式の積に因数分解する。(1) はそのまま代入して零になることを確認する。(2) は ∣k∣<2 により2次因子 x2−kx+1 の判別式が負になり、全ての実数 x で正であることを示す。したがって不等式の符号は一次因子だけで決まる。
解答
(1)
与えられた多項式は f(x)=x3−(2k−1)x2+(k2−k+1)x−k+1 である。x=k−1 を代入してもよいが、(2) でも使うため因数分解しておく。 (x−k+1)(x2−kx+1) を展開すると x3−kx2+x−(k−1)x2+k(k−1)x−(k−1) =x3−(2k−1)x2+(k2−k+1)x−k+1 となる。したがって f(x)=(x−k+1)(x2−kx+1) である。よって f(k−1)=0⋅{(k−1)2−k(k−1)+1}=0 である。
(2) ∣k∣<2 のとき、2次式 x2−kx+1 の判別式は D=k2−4<0 である。また x2 の係数は正なので、x2−kx+1>0 がすべての実数 x で成り立つ。
したがって f(x)=(x−k+1)(x2−kx+1) の符号は x−k+1 の符号だけで決まる。ゆえに f(x)≧0 は x−k+1≧0 と同値である。よって解は x≧k−1 である。
別解
別解(直接代入・組立除法と平方完成)
方針
(1) は直接代入で零点を確認する。(2) はその零点を手掛かりに組立除法を行い、残る2次因子を判別式ではなく平方完成で正値と示す。
解答
(1)
直接代入するとf(k−1)=(k−1)3−(2k−1)(k−1)2+(k2−k+1)(k−1)−k+1=0.(2)
(1) より x=k−1 は f(x)=0 の解である。そこで f(x) を x−k+1 で割るとf(x)=(x−k+1)(x2−kx+1)を得る。ここで2次因子はx2−kx+1=(x−2k)2+44−k2と平方完成できる。∣k∣<2 なら 4−k2>0 であるから、任意の実数 x に対してx2−kx+1>0.したがって f(x) の符号は x−k+1 の符号と一致する。ゆえにf(x)≧0⟺x≧k−1.
総評
因数分解と2次式の正値性を組み合わせる基本問題。目安時間は7〜10分。f(k−1)=0 だけなら代入でも出せるが、(2) では x−k+1 を因子に持つ形が本質になる。∣k∣<2 は2次因子を常に正にする条件であり、判別式または平方完成で厳密に示す。公式の出題意図も (1) の値から因数分解を認識する流れを明記しており、採点講評ではこの意図を読めず微分へ進んだ答案が多かったとされる。最初に全設問のつながりを見ることが重要である。
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出典: 北海道大学 2022年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。