方針
は数直線上で から始まり, を通って に至る折れ線の長さである。三角不等式から最小値は少なくとも で,等号は途中で逆戻りしないとき,すなわち非減少列のときに限られる。(1)(2) はその等号条件を使い,重複を許す組合せとして非減少列の個数を数える。
解答
(1) は,数直線上で と進むときの移動距離の合計である。 だから,この合計が最短の になるのは,途中で左へ戻らない場合,すなわち のときである。
このような は, から までの6種類から重複を許して2個を非減少に選ぶことと同じである。したがって個数は である。全事象は 通りなので,求める確率は である。
(2)
同様に, となるのは のときである。このような列は,6種類から重複を許して3個を非減少に選ぶ個数に等しいから 通りである。全事象は 通りなので,確率は である。
(3)
三角不等式を繰り返し用いると である。したがって である。
一方,たとえば とすれば となるので, である。
等号が成り立つ条件を考える。数直線上で から へ進む移動距離の合計が直線距離 に等しいためには,途中で逆向きに進まないことが必要十分である。つまり である。よって となるための必要十分条件は上の非減少条件である。
別解
別解(上昇量と下降量で数える)
方針
数直線上の各移動を右向きと左向きに分ける。右向き総量と左向き総量の差は常に5なので,総移動距離は 左向き総量となる。
解答
数列の両端に , を加える。各移動の右向き総量を ,左向き総量を とすると,始点と終点の差からであり,移動距離の総和はとなる。
(1)
は (*) により ,すなわち と同値である。各目 の出現回数を とすれば,非減少列はの解と一対一に対応する。その個数はなので,確率は(2)
同様に となる非減少列の個数はの非負整数解の個数である。したがって確率は(3)
(*) より常に であり,等号は のときに限る。よってまた は一度も左へ戻らないことだから,必要十分条件はである。
総評
絶対値和を数直線上の移動距離として読む確率問題。目安時間は12分。 の最小値は式を展開するより,三角不等式の等号条件で考えると一気に見える。確率計算では,非減少列を「重複を許して選ぶ」問題に変換し,, を使う。等号条件は単なる十分条件ではなく,逆戻りがないことが必要でもある点を言葉で補うとよい。 三角不等式と下降量の2通りで最小値5と非減少条件が一致した。 三角不等式と下降量の2通りで最小値5と非減少条件が一致した。 三角不等式と下降量の2通りで最小値5と非減少条件が一致した。