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北海道大学 2023年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

nを2以上の自然数とする。1個のさいころをn回投げて出た目の数を順に
a1,a2,,anとし,Kn=1a1+a1a2++an1an+an6とおく。またKnのとりうる値の最小値をqnとする。

(1) K2=5となる確率を求めよ。

(2) K3=5となる確率を求めよ。

(3) qnを求めよ。またKn=qnとなるためのa1,a2,,anに関する
必要十分条件を求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安12

確率場合の数 数え上げ図形的解釈必要十分条件

方針

Kn は数直線上で 1 から始まり,a1,a2,,an を通って 6 に至る折れ線の長さである。三角不等式から最小値は少なくとも 5 で,等号は途中で逆戻りしないとき,すなわち非減少列のときに限られる。(1)(2) はその等号条件を使い,重複を許す組合せとして非減少列の個数を数える。

解答

(1) K2 は,数直線上で 1a1a26 と進むときの移動距離の合計である。1a1,a26 だから,この合計が最短の 5 になるのは,途中で左へ戻らない場合,すなわち 1a1a26 のときである。

このような (a1,a2) は,1 から 6 までの6種類から重複を許して2個を非減少に選ぶことと同じである。したがって個数は 6+21C2=7C2=21 である。全事象は 62 通りなので,求める確率は 2162=712 である。

(2)
同様に,K3=5 となるのは 1a1a2a36 のときである。このような列は,6種類から重複を許して3個を非減少に選ぶ個数に等しいから 6+31C3=8C3=56 通りである。全事象は 63 通りなので,確率は 5663=727 である。

(3)
三角不等式を繰り返し用いると Kn=1a1+a1a2++an1an+an616=5 である。したがって qn5 である。

一方,たとえば a1=a2==an=1 とすれば Kn=5 となるので,qn=5 である。

等号が成り立つ条件を考える。数直線上で 1 から 6 へ進む移動距離の合計が直線距離 5 に等しいためには,途中で逆向きに進まないことが必要十分である。つまり 1a1a2an6 である。よって Kn=qn となるための必要十分条件は上の非減少条件である。

別解

別解(上昇量と下降量で数える)

方針

数直線上の各移動を右向きと左向きに分ける。右向き総量と左向き総量の差は常に5なので,総移動距離は 5+2× 左向き総量となる。

解答

数列の両端に a0=1an+1=6 を加える。各移動の右向き総量を U,左向き総量を D とすると,始点と終点の差からUD=61=5であり,移動距離の総和はKn=U+D=5+2D(*)となる。

(1)
K2=5 は (*) により D=0,すなわち a1a2 と同値である。各目 j の出現回数を mj とすれば,非減少列はm1+m2++m6=2,mj0の解と一対一に対応する。その個数は7C5=21なので,確率は2162=712.(2)
同様に K3=5 となる非減少列の個数はm1++m6=3の非負整数解の個数8C5=56である。したがって確率は5663=727.(3)
(*) より常に Kn5 であり,等号は D=0 のときに限る。よってqn=5.また D=0 は一度も左へ戻らないことだから,必要十分条件は1a1a2an6である。

総評

絶対値和を数直線上の移動距離として読む確率問題。目安時間は12分。Kn の最小値は式を展開するより,三角不等式の等号条件で考えると一気に見える。確率計算では,非減少列を「重複を許して選ぶ」問題に変換し,7C28C3 を使う。等号条件は単なる十分条件ではなく,逆戻りがないことが必要でもある点を言葉で補うとよい。 三角不等式と下降量の2通りで最小値5と非減少条件が一致した。 三角不等式と下降量の2通りで最小値5と非減少条件が一致した。 三角不等式と下降量の2通りで最小値5と非減少条件が一致した。

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出典: 北海道大学 2023年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。