Evolton

北海道大学 2025年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

関数f(x)は,すべての実数xおよびすべての整数nについて
f(nx)={f(x)}nを満たし,さらにf(1)=2を満たすとする。
ただし,f(x)のとりうる値は0でない実数とする。

(1) f(n)100となるような最大の整数nを求めよ。

(2) すべての実数xについてf(x)>0であることを証明せよ。

(3) f(0.25)を求めよ。

(4) aが有理数のとき,f(a)aで表せ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安14

関数指数・対数論証・証明 特殊化、必要十分条件、存在証明、式変形

方針

条件 f(nx)={f(x)}n に,まず x=1 を代入して整数での値 f(n)=2n を決める。正値性は任意の x について x=2(x/2) と見れば平方で表せることから示す。正であることが分かると,4乗根や q 乗根を一意に選べるので,f(1/4) と有理数 a=p/q の値を決定できる。

解答

(1)
条件 f(nx)={f(x)}nx=1 を代入すると,すべての整数 n について f(n)={f(1)}n=2n である。したがって f(n)1002n100 と同値である。ここで 26=64100,27=128>100 であるから,条件を満たす最大の整数は 6 である。なお負の整数 n では 2n100 を満たすが,最大値を考えるので上の判定で十分である。

(2)
任意の実数 x に対して,条件を n=2,実数 x/2 に適用するとf(x)=f(2x2)={f(x2)}2である。f(x) のとりうる値は0でない実数であるから,f(x/2)0 である。したがってその平方は正であり,f(x)>0 がすべての実数 x について成り立つ。

(3) 0.25=1/4 である。条件を x=1/4n=4 に適用するとf(1)=f(414)={f(14)}4である。f(1)=2 だから {f(14)}4=2 である。(2)より f(1/4)>0 なので,正の4乗根をとって f(0.25)=f(14)=21/4=2 である。

(4)
有理数 aa=pq と表す。ただし p は整数,q は自然数とする。条件を x=an=q に適用すると f(p)=f(qa)={f(a)}q である。一方,(1) と同じく整数 p について f(p)=2p である。したがって {f(a)}q=2p である。(2)より f(a)>0 なので,正の q 乗根をとって f(a)=2p/q=2a である。よって f(a)=2a(a は有理数) である。

別解

解法2(整数倍に関する基本性質の整理)

方針

まず n=0,1,2 を代入して f(0)=1f(x)=1/f(x)f(x)>0 をまとめる。その後、整数点と有理数点へ順に広げる。

解答

(1)
x=1 とすれば、整数 n に対してf(n)=f(n1)={f(1)}n=2nである。26=64100<128=27 より、最大の整数は 6 である。

(2)
n=0 とすると、値域に0を含まないことからf(0)={f(x)}0=1である。また n=1 とするとf(x)={f(x)}1=1f(x)を得る。さらに n=2、変数を x/2 とすればf(x)={f(x2)}2>0である。最後の不等号は f(x/2)0 による。

(3) 2=f(1)=f(414)={f(14)}4であり、(2) の正値性によりf(0.25)=f(14)=21/4=2である。

(4)
有理数 aa=p/qp は整数、q は自然数)と書く。すると{f(a)}q=f(qa)=f(p)=2pである。(2) より f(a)>0 なので正の q 乗根をとることができ、f(a)=2p/q=2aを得る。表し方を変えても右辺は 2a で一定なので、定義の曖昧さもない。

総評

難度6、計算量5、想定時間14分。公式の出題意図は、与えられた関数等式に具体的な整数と実数を代入し、一般の関係を段階的に導く力の確認にある。特に (2) の正値性が (3)(4) で偶数乗根を一意に決める根拠になるため、省略できない。n=0,1 から f(0)=1f(x)=1/f(x) も得られ、関数の構造を整理できる。ただし連続性は仮定されていないので、結論 f(x)=2x を無理数全体へ拡張してはならない。

冊子PDFで見る北大の関数の問題で問題集を作る

出典: 北海道大学 令和7年度一般選抜(前期日程)数学α(公式問題・出題の意図)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。