方針
条件 f(nx)={f(x)}n に,まず x=1 を代入して整数での値 f(n)=2n を決める。正値性は任意の x について x=2⋅(x/2) と見れば平方で表せることから示す。正であることが分かると,4乗根や q 乗根を一意に選べるので,f(1/4) と有理数 a=p/q の値を決定できる。
解答
(1)
条件 f(nx)={f(x)}n に x=1 を代入すると,すべての整数 n について f(n)={f(1)}n=2n である。したがって f(n)≦100 は 2n≦100 と同値である。ここで 26=64≦100,27=128>100 であるから,条件を満たす最大の整数は 6 である。なお負の整数 n では 2n≦100 を満たすが,最大値を考えるので上の判定で十分である。
(2)
任意の実数 x に対して,条件を n=2,実数 x/2 に適用するとf(x)=f(2⋅2x)={f(2x)}2である。f(x) のとりうる値は0でない実数であるから,f(x/2)=0 である。したがってその平方は正であり,f(x)>0 がすべての実数 x について成り立つ。
(3) 0.25=1/4 である。条件を x=1/4,n=4 に適用するとf(1)=f(4⋅41)={f(41)}4である。f(1)=2 だから {f(41)}4=2 である。(2)より f(1/4)>0 なので,正の4乗根をとって f(0.25)=f(41)=21/4=2 である。
(4)
有理数 a を a=qp と表す。ただし p は整数,q は自然数とする。条件を x=a,n=q に適用すると f(p)=f(qa)={f(a)}q である。一方,(1) と同じく整数 p について f(p)=2p である。したがって {f(a)}q=2p である。(2)より f(a)>0 なので,正の q 乗根をとって f(a)=2p/q=2a である。よって f(a)=2a(a は有理数) である。
別解
解法2(整数倍に関する基本性質の整理)
方針
まず n=0,−1,2 を代入して f(0)=1、f(−x)=1/f(x)、f(x)>0 をまとめる。その後、整数点と有理数点へ順に広げる。
解答
(1)
x=1 とすれば、整数 n に対してf(n)=f(n⋅1)={f(1)}n=2nである。26=64≦100<128=27 より、最大の整数は 6 である。
(2)
n=0 とすると、値域に0を含まないことからf(0)={f(x)}0=1である。また n=−1 とするとf(−x)={f(x)}−1=f(x)1を得る。さらに n=2、変数を x/2 とすればf(x)={f(2x)}2>0である。最後の不等号は f(x/2)=0 による。
(3) 2=f(1)=f(4⋅41)={f(41)}4であり、(2) の正値性によりf(0.25)=f(41)=21/4=2である。
(4)
有理数 a を a=p/q(p は整数、q は自然数)と書く。すると{f(a)}q=f(qa)=f(p)=2pである。(2) より f(a)>0 なので正の q 乗根をとることができ、f(a)=2p/q=2aを得る。表し方を変えても右辺は 2a で一定なので、定義の曖昧さもない。
総評
難度6、計算量5、想定時間14分。公式の出題意図は、与えられた関数等式に具体的な整数と実数を代入し、一般の関係を段階的に導く力の確認にある。特に (2) の正値性が (3)(4) で偶数乗根を一意に決める根拠になるため、省略できない。n=0,−1 から f(0)=1、f(−x)=1/f(x) も得られ、関数の構造を整理できる。ただし連続性は仮定されていないので、結論 f(x)=2x を無理数全体へ拡張してはならない。
冊子PDFで見る北大の関数の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 令和7年度一般選抜(前期日程)数学α(公式問題・出題の意図)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。