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熊本大学 2023年度 前期数学③ 第1問

n3以上の自然数とする.1個のさいころをn回投げて,出た目の数の積をとる.積が60となる確率をpnとする.以下の問いに答えよ.
(問1) p3を求めよ.
(問2) n4のとき,pnを求めよ.
(問3) n4とする.出た目の数の積がn回目にはじめて60となる確率を求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安15

確率場合の数 数え上げ、場合分け、余事象、計算整理

方針

60=512 であり,さいころで 5 の因数をもつ目は 5 だけである。したがって 5 がちょうど一度出て,残りの目の積が 12 になる場合を数える。はじめて条件は,全体から直前にすでに 60 になって最後に 1 が出る場合を除く。

解答

(問1)
積が 60 となるには,5 がちょうど 1 回出て,残り 2 回の積が 12 になればよい。残り 2 回は(2,6),(6,2),(3,4),(4,3)4 通りであり,5 の位置は 3 通りである。したがってp3=1263=118である。

(問2)
n4 とする。5 の出る位置を n 通りに選び,残り n1 回の積が 12 となる出方を数える。長さ m の出方で積が 12 となるものは4mC2+3mC3=m(m1)(m+2)2通りである。ここで m=n1 とすれば,積が 60 となる出方はn(n1)(n2)(n+1)2通りである。よってpn=n(n1)(n2)(n+1)26nである。

(問3)
(問2)の出方の数をBn=n(n1)(n2)(n+1)2とおく。n 回目にはじめて積が 60 となる出方は,積が 60 となる長さ n の出方から,n1 回目までに積が 60 で最後に 1 が出るものを除いたものである。よってその数はBnBn1=2n(n1)(n2)である。したがって求める確率は2n(n1)(n2)6nである。

別解

解法2(素因数母関数と最終投)

方針

2,3,5 の指数をそれぞれ X,Y,Z で記録し、(1+X+Y+X2+Z+XY)nX2YZ 係数を求める。初到達確率は最後の目を 2,3,4,5,6 に分け、直前までの積を母関数と同じ考えで数える。

解答

(問1)(問2)
各出目 1,2,3,4,5,61, X, Y, X2, Z, XYに対応させる。積が 60=2235 となる出方の数は[X2YZ](1+X+Y+X2+Z+XY)nである。Z はちょうど1回選ばれ、その位置は n 通りである。残り n1 箇所から X2Y を作る係数は(n1)(n2)(n+1)2だからpn=n(n1)(n2)(n+1)26n.特に p3=12/63=1/18 である。

(問3)
m=n1 とおく。最後の目が 2,3,4,5,6 のとき、最初の m 回の積はそれぞれ 30,20,15,12,10 である。その出方の数は順にm(m1)2,m2(m1)2,m(m1),m(m1)(m+2)2,m(m1)である。合計は2m(m1)(m+1)=2n(n1)(n2)となる。したがって求める確率は2n(n1)(n2)6nである。

総評

難度5,計算量5。想定時間は15分程度。5 がちょうど一度だけ出ることを先に固定できるかが分岐点である。残りを積 12 の問題に帰着し,はじめて条件で最後の 1 を除外する整理が採点上の中心になる。位置づけは差がつく標準問題であり,方針を早く固めて計算ミスなく完答したい。

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出典: 熊本大学 2023年度 前期 数学③(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。