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熊本大学 2024年度 前期数学③ 第1問

n個の袋A1,A2,,Anがある。Ak1knの中には白玉がk個,黒玉がnk個入っている。次の(操作)を考える。

(操作)
(操作1) n個の袋から無作為に1つの袋を選び,それをAとおく。
(操作2) 次の試行をs回繰り返す。袋Aから無作為に玉を1個取り出し,玉の色を調べてから取り出した玉を袋Aに戻す。
以下の問いに答えよ。
(問1) s=2とする。(操作)を行うとき,白玉がちょうど1回取り出される確率をnを用いて表せ。
(問2) s=100とする。(操作1)を行った結果,A=Akであった。このとき,(操作2)で白玉がちょうどt回取り出される条件付き確率をp(t)とする。n=3kが成り立つとき,p(t)を最大にするtの値を求めよ。
(問3) s=10とする。(操作)を行うとき,白玉がちょうど3回取り出される確率をqnとする。このとき,limnqnを求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

確率積分 条件付き確率、期待値、定積分評価

方針

Akが選ばれたときの白玉確率はk/nである。(問1)はkについて平均し、(問2)は二項分布の隣接比で最大となるtを決める。(問3)は平均をリーマン和として01120x3(1x)7dxに帰着する。

解答

(問1)
Akが選ばれたとき、白玉が出る確率はk/nである。s=2で白玉がちょうど1回出る条件付き確率は2kn(1kn)である。袋は等確率に選ばれるので、求める確率は1nk=1n2kn(1kn)=2n3k=1nk(nk)=n213n2である。

(問2)
n=3kであるから、袋Akから白玉が出る確率は1/3である。したがってp(t)=100Ct(13)t(23)100tである。隣り合う項の比はp(t+1)p(t)=100tt+112である。これはt321より大きく、t331より小さい。よってp(t)を最大にするt33である。

(問3)
s=10で白玉がちょうど3回出る確率はqn=1nk=1n10C3(kn)3(1kn)7である。これはリーマン和であるからlimnqn=12001x3(1x)7dxである。ここで(1x)7=17x+21x235x3+35x421x5+7x6x7を用いて計算すると01x3(1x)7dx=11320である。したがってlimnqn=1201320=111である。

別解

解法2(平均とべき和の極限)

方針

袋番号を一様な確率変数Kとみなし、白玉確率K/nについて平均する。(問2)は二項確率の前後比を両側から比較し、(問3)は(1k/n)7を展開して各べき和の極限を用いる。

解答

(問1)
Kを選ばれた袋番号とするとK1,,n上で一様である。K=kのもとで白玉がちょうど1回出る確率は2(k/n)(1k/n)だからP=1nk=1n2kn(1kn)=2n3(nk=1nkk=1nk2)=n213n2.(問2)
n=3kなら1回の白玉確率は1/3なのでp(t)=100Ct(13)t(23)100t.最大の項ではp(t)p(t1)かつp(t)p(t+1)である。隣接比からp(t)p(t1)=101t2t,p(t+1)p(t)=100t2(t+1).両条件を満たす整数はt=33だけである。よって最大にする値はt=33.(問3)qn=120nk=1n(kn)3(1kn)7.二項展開し、各j0についてlimn1nk=1n(kn)j=1j+1を用いるとlimnqn=120j=07(1)j7Cj1j+4=12001x3(1x)7dx=12011320=111.展開によるべき和計算と積分値が同じ有限和を与える。

総評

難度6、計算量6、想定25分。袋番号を固定した条件付き確率を最後に平均する。(問2)は二項分布の隣接比から最頻値33を確定する。(問3)は解法1のリーマン和と、解法2の二項展開・べき和極限がともに12001x3(1x)7dx=1/11を与え、有限和の係数まで相互確認できる。

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出典: 熊本大学 2024年度 前期 数学③(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。