方針
袋Akが選ばれたときの白玉確率はk/nである。(問1)はkについて平均し、(問2)は二項分布の隣接比で最大となるtを決める。(問3)は平均をリーマン和として∫01120x3(1−x)7dxに帰着する。
解答
(問1)
袋Akが選ばれたとき、白玉が出る確率はk/nである。s=2で白玉がちょうど1回出る条件付き確率は2⋅nk(1−nk)である。袋は等確率に選ばれるので、求める確率はn1k=1∑n2⋅nk(1−nk)=n32k=1∑nk(n−k)=3n2n2−1である。
(問2)
n=3kであるから、袋Akから白玉が出る確率は1/3である。したがってp(t)=100Ct(31)t(32)100−tである。隣り合う項の比はp(t)p(t+1)=t+1100−t⋅21である。これはt≦32で1より大きく、t≧33で1より小さい。よってp(t)を最大にするtは33である。
(問3)
s=10で白玉がちょうど3回出る確率はqn=n1k=1∑n10C3(nk)3(1−nk)7である。これはリーマン和であるからn→∞limqn=120∫01x3(1−x)7dxである。ここで(1−x)7=1−7x+21x2−35x3+35x4−21x5+7x6−x7を用いて計算すると∫01x3(1−x)7dx=13201である。したがってn→∞limqn=1320120=111である。
別解
解法2(平均とべき和の極限)
方針
袋番号を一様な確率変数Kとみなし、白玉確率K/nについて平均する。(問2)は二項確率の前後比を両側から比較し、(問3)は(1−k/n)7を展開して各べき和の極限を用いる。
解答
(問1)
Kを選ばれた袋番号とするとKは1,…,n上で一様である。K=kのもとで白玉がちょうど1回出る確率は2(k/n)(1−k/n)だからP=n1k=1∑n2nk(1−nk)=n32(nk=1∑nk−k=1∑nk2)=3n2n2−1.(問2)
n=3kなら1回の白玉確率は1/3なのでp(t)=100Ct(31)t(32)100−t.最大の項ではp(t)≧p(t−1)かつp(t)≧p(t+1)である。隣接比からp(t−1)p(t)=2t101−t,p(t)p(t+1)=2(t+1)100−t.両条件を満たす整数はt=33だけである。よって最大にする値はt=33.(問3)qn=n120k=1∑n(nk)3(1−nk)7.二項展開し、各j≧0についてn→∞limn1k=1∑n(nk)j=j+11を用いるとn→∞limqn=120j=0∑7(−1)j7Cjj+41=120∫01x3(1−x)7dx=120⋅13201=111.展開によるべき和計算と積分値が同じ有限和を与える。
総評
難度6、計算量6、想定25分。袋番号を固定した条件付き確率を最後に平均する。(問2)は二項分布の隣接比から最頻値33を確定する。(問3)は解法1のリーマン和と、解法2の二項展開・べき和極限がともに120∫01x3(1−x)7dx=1/11を与え、有限和の係数まで相互確認できる。
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出典: 熊本大学 2024年度 前期 数学③(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。