方針
4回の移動は右向きの移動を2回,下向きの移動を2回含む単調な経路に限られる。6通りの経路について,境界に達する前の確率を掛け合わせ,折れ線と座標軸で囲まれる面積を表にして求める。期待値は各面積にその確率を掛けて和をとる。
解答
(問1)
右への移動を ,下への移動を と書く。可能な経路と確率,面積 は次の通りである。したがって となるのは経路 のときだけであるから,求める確率はである。
(問2)
となるのは経路 と のときである。よって求める確率はである。
(問3)
上の表より,期待値はである。
なお,表の確率の和はとなり,全経路を尽くしていることも確認できる。
別解
解法2(面積の確率母関数)
方針
状態 から終点までに加わる面積の確率母関数を とする。高さ で右へ1進むと面積が 増えるので,遷移式を下から計算すれば,経路を個別に並べずに面積の分布全体が得られる。
解答
高さ で右へ移る1歩が面積に を加えることに注意する。状態 から終点までに加わる面積を とし,とおく。境界ではであり,内部ではである。終点で として順に計算するとしたがってよって係数を読めばまた微分して を代入すればを得る。
総評
難度5,計算量5,想定時間15分。公式の出題意図どおり,独立な移動の乗法,排反な経路の加法,期待値を一続きに扱う問題である。解法1では6経路の確率和が1になること,解法2では母関数の係数和が になることが相互検算になる。面積は各右移動の高さの和と見れば数え落としを防げる。公式略解の と照合済み。