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京都大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第5問

つぼの中にr(r1)の赤球と,s(s0)の白球が入っている.
ABの2人が,交互に球を1個ずつとり出し,先に赤球をとり出した者を勝者とするゲームをする.
ただし,とり出した球は,もとにもどさないものとする.

(1) ちょうどi回目(すなわちAB2人のとり出した球の合計が,
ちょうどi個になった時)に勝者がきまる確率をPiとするとき,
PiPi+1 (i=1,2,)となることを示せ.

(2) このゲームをAからはじめるとする.
任意のrsに対して,Aが勝者となる確率は,12またはそれ以上であることを示せ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

確率場合の数 確率漸化式不等式評価状態分類

方針

勝者が i 回目に決まるとは、最初の i1 回がすべて白球で、i 回目に赤球が出ることである。具体式そのものを長く扱うより、隣り合う確率の比 Pi+1/Pi を計算して単調性を示す。後半は、A が奇数回目、B が偶数回目に勝つことを使い、(P1,P2),(P3,P4), と組にして比較する。

解答

(1) i 回目に初めて赤球が出るには、最初の i1 回が白球で、i 回目が赤球であればよい。したがって 1is+1 の範囲で Pi が正になり、それ以降は Pi=0 である。 Pi>0 である範囲では、Pi から Pi+1 に進むとき、さらに1個白球を先に取り出し、その後に赤球を取り出す形になる。直接比を計算すると Pi+1Pi=si+1r+si である。ここで r1 だから si+1r+si であり、Pi+1Pi1 となる。よって PiPi+1 である。Pi=0 となった後も両辺は 0 なので、不等式は保たれる。

(2) A が勝つのは、最初の赤球が 1,3,5, 回目に出るときである。したがって A の勝つ確率は P1+P3+P5+ である。一方、B の勝つ確率は P2+P4+P6+ である。

(1) より P1P2,P3P4,P5P6, が成り立つ。したがって、奇数番目の和は偶数番目の和以上であり、P1+P3+P5+P2+P4+P6+ を得る。

赤球は少なくとも1個あるので、いずれ必ず勝者が決まる。したがって両辺の和は 1 である。ゆえに P1+P3+P5+12 であり、A が勝者となる確率は 12 以上である。

奇数番目と直後の偶数番目を組にすれば、先手が不利にならない

別解

解法2

方針

最初の i1 個が白で次が赤となる確率を積で書き、
隣接する Pi,Pi+1 の共通部分を約分する。
後半は奇数番目と直後の偶数番目を1組ずつ比較する。

解答

(1)
1is+1 についてPi=sr+ss1r+s1si+2r+si+2rr+si+1.したがって共通因子を約分するとPi+1Pi=si+1r+si1.よって PiPi+1 である。範囲外では両方0なので
同じ結論が成り立つ。

(2)
A の勝率を pAB の勝率を pB とするとpA=P1+P3+P5+,pB=P2+P4+P6+.各組で P2j1P2j だから pApB である。
また必ずどちらかが勝つので pA+pB=1。したがってpA12.

総評

勝敗を「最初の赤球が何回目に出るか」に置き換えると見通しがよい。目安時間は15分。Pi の完全な積の式を書くより、隣接比で単調性を出し、奇数番目と偶数番目を組にして比べる答案が簡潔で強い。 2つの解法を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号・最終値を確認した。

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出典: 京都大学 1984年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。