Evolton

京都大学 1985年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第5問

正六角形の頂点を反時計まわりの順に,A0,A1,,A5とし,
次のルール(A),(B),(C)に従ってゲームを行う.

(A) A0を出発点とする.

(B) コインを投げ,表が出たら反時計まわりに隣の頂点に移動し,
裏が出たら,時計まわりに隣の頂点に移動する.

(C) A0の反対側の頂点A3に到達したらゲームは終了する.

整数n (n0)に対して,

pn=(2n+1)回コインを投げ移動を行ってもゲームの終了しない確率

qn=ちょうど(2n+1)回目の移動によってゲームの終了する確率

とする.コインを投げたとき,表裏の出る確率はそれぞれ12ずつである.
pnおよびqnを求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

確率数列 確率漸化式状態分類、場合分け

方針

終了は A3 に到達した瞬間で、出発点から A3 までは奇数回でしか届かない。奇数回の移動後にまだ終わっていないなら位置は必ず A1 または A5 である。そこから次の2回で終了する確率が 1/4、終了しない確率が 3/4 であることを確認し、2回ごとの繰り返しとして pn,qn を求める。

解答

まず、A0 から A3 へは辺を3本進む必要があるので、終了する時刻は奇数回目だけである。

1回移動した後は、必ず A1またはA5 にいる。したがって p0=1 である。また1回目で A3 に到達することはないので q0=0 である。

次に、ある奇数回の移動後にゲームがまだ終了していないとする。このとき位置は A1 または A5 である。実際、奇数回後の位置は添字が奇数の頂点に限られ、A3 に着いていればその時点で終了しているからである。 A1 にいる場合、次の2回の移動で終了するのは A1A2A3 となる場合だけである。これは2回とも反時計まわりに進む場合で、その確率は 1212=14 である。したがって、次の2回後も終了していない確率は 114=34 である。 A5 にいる場合も同様に、次の2回で終了するのは A5A4A3 の場合だけであり、確率は 1/4 である。よって、どちらの位置にいても、次の2回で終了しない確率は 3/4 である。

したがって、1回目の後から2回ずつ見ると、未終了の確率は毎回 3/4 倍される。ゆえに pn=(34)n である。

次に qn を求める。n=0 ではすでに見たように q0=0 である。n1 のとき、ちょうど (2n+1) 回目で終了するには、まず (2n1) 回目まで終了しておらず、その後の2回で初めて A3 に到達すればよい。前者の確率は pn1、後者の条件付き確率は 1/4 である。よってqn=pn114=(34)n114である。したがって qn=14(34)n1(n1) である。

別解

解法2

方針

最初の1回の後を起点にし、その後の投げ方を2回ずつのブロックに分ける。未終了の各状態からは4種類のブロックのうちちょうど1種類が終了、3種類が生存なので、場合の数を直接数える。

解答

1回目の移動後は A1 または A5 にいて,まだ終了していない。よってp0=1,q0=0.それ以後の移動を2回ずつのブロックに分ける。A1 からは4種類の表裏列のうち「表・表」のときだけ A3 に到達する。A5 からは「裏・裏」のときだけ到達する。したがって,どちらの状態でも1ブロックにつき終了する列は1種類,生存する列は3種類である。

n ブロックすべてを生存する列は 3n 種類,全列は 4n 種類だからpn=3n4n=(34)n.n1 のとき,ちょうど (2n+1) 回目で終わるには,最初の n1 ブロックで生存し,最後のブロックで終了すればよい。その列は 3n1 種類だからqn=3n14n=14(34)n1.

総評

難易度は6,計算量は5程度である。想定時間は16分から24分程度。状態を6頂点すべてで追うと重くなるが、奇数回で未終了なら A1,A5 の2状態だけに戻ると見抜けば短い。qn では (2n+1) 回目で終わるために直前の奇数時刻まで生き残る必要があり、n=0 だけは別扱いになる。答案では「次の2回で終了する確率が常に 1/4」を位置ごとに確認すると説得力が出る。

冊子PDFで見る京大の確率の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 1985年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。