方針
円に使う針金の長さを x と置く。円の面積は 4πx2、長方形の周は 1−x で、辺の比が 1:k なので面積は 4(1+k)2k(1−x)2 となる。まず x について2次式を最小にし、その最小値 S(k) を k で整理する。最後は k+k1≧2 により、S(k) が最大になる k を決める。
解答
(1)
円周に使う針金の長さを x とする。すると円の半径は 2πx であるから、円の面積は π(2πx)2=4πx2 である。
残りの長さは 1−x である。長方形の2辺の長さを u,ku とすると、周の長さは 2u+2ku=2(1+k)u である。したがって 2(1+k)u=1−x より u=2(1+k)1−x である。長方形の面積は ku2=4(1+k)2k(1−x)2 となる。
したがって面積の和を T(x) とすると T(x)=4πx2+4(1+k)2k(1−x)2 である。これは x について上に開く2次式である。微分すると T′(x)=2πx−2(1+k)2k(1−x) だから、最小となる x は πx=(1+k)2k(1−x) を満たす。これを解くと x=(1+k)2+πkπk である。よって、円に使う長さを (1+k)2+πkπk とし、長方形に使う長さを (1+k)2+πk(1+k)2 とすればよい。
(2)
(1)の最小値を求める。T′(x)=0 を満たす x を代入してもよいが、ここでは係数を整理して計算する。 T(x)=4π1x2+4(1+k)2k(1−x)2 の最小値は S(k)=4{(1+k)2+πk}k である。分母を k で割ると S(k)=4(k+k1+2+π)1 である。 k>0 について k+k1≧2 であり、等号は k=1 のときに成り立つ。S(k) は分母が小さいほど大きいので、S(k) が最大となるのは k=1 のときである。
別解
解法2:面積の和を平方完成する
方針
円周に使う長さを x とし、面積和を Ax2+B(1−x)2 と書く。この一般形を平方完成して最小点と最小値を同時に求める。
解答
(1)
円周に使う長さを x、長方形の周に使う長さを 1−x とする。面積の和はT(x)=Ax2+B(1−x)2,A=4π1,B=4(1+k)2kである。平方完成するとT(x)=(A+B)(x−A+BB)2+A+BAB.したがって最小となる切り方はx=(1+k)2+πkπk,1−x=(1+k)2+πk(1+k)2である。左が円周、右が長方形の周に使う長さである。
(2)
最小値はS(k)=4{(1+k)2+πk}k=4(k+k−1+2+π)1,k+k1≧2.等号は k=1 のときに限る。したがって分母が最小、すなわち S(k) が最大となるのは k=1 である。
総評
難度6、計算量6、目安時間20分。微分と平方完成の2通りで最適な切り方と最小値を確認した。円に使う長さと長方形に使う長さの和が1になること、得た切り方が 0<x<1 に入ることも満たす。S(k) の最大化は k+1/k≧2 に帰着する。
冊子PDFで見る京大の微分の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 1987年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。