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京都大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第5問

長さ1の針金を二つに切り,その一つで円周を作り,残りで2辺の長さの比が1:k(kは正の定数)の長方形を作る.

(1) この円と長方形の面積の和を最小にするためには,針金をどのように切ればよいか.

(2) kをいろいろ変えたとき,(1)の円と長方形の面積の和の最小値S(k)が最大になるようなkの値を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

微分図形と方程式 微分による最大最小面積計算文字消去

方針

円に使う針金の長さを x と置く。円の面積は x24π、長方形の周は 1x で、辺の比が 1:k なので面積は k(1x)24(1+k)2 となる。まず x について2次式を最小にし、その最小値 S(k)k で整理する。最後は k+1k2 により、S(k) が最大になる k を決める。

解答

(1)
円周に使う針金の長さを x とする。すると円の半径は x2π であるから、円の面積は π(x2π)2=x24π である。

残りの長さは 1x である。長方形の2辺の長さを u,ku とすると、周の長さは 2u+2ku=2(1+k)u である。したがって 2(1+k)u=1x より u=1x2(1+k) である。長方形の面積は ku2=k(1x)24(1+k)2 となる。

したがって面積の和を T(x) とすると T(x)=x24π+k(1x)24(1+k)2 である。これは x について上に開く2次式である。微分すると T(x)=x2πk(1x)2(1+k)2 だから、最小となる xxπ=k(1x)(1+k)2 を満たす。これを解くと x=πk(1+k)2+πk である。よって、円に使う長さを πk(1+k)2+πk とし、長方形に使う長さを (1+k)2(1+k)2+πk とすればよい。

(2)
(1)の最小値を求める。T(x)=0 を満たす x を代入してもよいが、ここでは係数を整理して計算する。 T(x)=14πx2+k4(1+k)2(1x)2 の最小値は S(k)=k4{(1+k)2+πk} である。分母を k で割ると S(k)=14(k+1k+2+π) である。 k>0 について k+1k2 であり、等号は k=1 のときに成り立つ。S(k) は分母が小さいほど大きいので、S(k) が最大となるのは k=1 のときである。

別解

解法2:面積の和を平方完成する

方針

円周に使う長さを x とし、面積和を Ax2+B(1x)2 と書く。この一般形を平方完成して最小点と最小値を同時に求める。

解答

(1)
円周に使う長さを x、長方形の周に使う長さを 1x とする。面積の和はT(x)=Ax2+B(1x)2,A=14π,B=k4(1+k)2である。平方完成するとT(x)=(A+B)(xBA+B)2+ABA+B.したがって最小となる切り方はx=πk(1+k)2+πk,1x=(1+k)2(1+k)2+πkである。左が円周、右が長方形の周に使う長さである。

(2)
最小値はS(k)=k4{(1+k)2+πk}=14(k+k1+2+π),k+1k2.等号は k=1 のときに限る。したがって分母が最小、すなわち S(k) が最大となるのは k=1 である。

総評

難度6、計算量6、目安時間20分。微分と平方完成の2通りで最適な切り方と最小値を確認した。円に使う長さと長方形に使う長さの和が1になること、得た切り方が 0<x<1 に入ることも満たす。S(k) の最大化は k+1/k2 に帰着する。

冊子PDFで見る京大の微分の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 1987年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。