方針
曲線を y=f(x)、接点の x 座標を t とする。接線が原点を通る条件を f(t)=tf′(t) と書いて、原点以外の接点を決める。得られた接線と曲線の差を因数分解し、交点の重なりと 0<x<1 での上下関係を確認してから、面積を定積分で求める。
解答
f(x)=−x3+2x2 とおくとf′(x)=−3x2+4xである。接点を (t,f(t)) とする。この点での接線が原点を通る条件はf(t)=tf′(t)である。したがって−t3+2t2=t(−3t2+4t)より2t2(t−1)=0となる。接点は原点以外なので t=1 であり、接点は (1,1) である。f′(1)=1 だから接線は y=x となる。
曲線と直線の差はf(x)−x=−x(x−1)2である。交点は x=0,1 であり、0<x<1 では f(x)<x である。よって囲まれた面積 S はS=∫01{x−(−x3+2x2)}dx=[2x2+4x4−32x3]01=121である。
別解
解法2:直線の傾きと重解
方針
原点を通る接線を y=mx とおく。曲線との共有点方程式を因数分解すると、原点以外の交点は2次方程式の根になる。接するためにはその根が重根でなければならないので、判別式0から傾き m と接点を同時に決める。最後に差の符号を確認して面積を積分する。
解答
原点を通る直線をy=mxとおく。この直線と曲線の共有点は−x3+2x2=mxを満たすからx(x2−2x+m)=0である。原点以外の点でこの直線が曲線に接するためには、2次方程式x2−2x+m=0が重根をもてばよい。その判別式を0とすると4−4m=0より m=1 である。重根は x=1 なので、接線は y=x、接点は (1,1) となる。
曲線との差はx−(−x3+2x2)=x(x−1)2であり、0<x<1 で正である。したがって求める面積はS=∫01x(x−1)2dx=[4x4−32x3+2x2]01=121である。
総評
難度5、計算量4で、目安は15分。解法1では接線が原点を通る条件 f(t)=tf′(t)、解法2では共有点方程式の重解条件が核心である。どちらでも接線 y=x を得た後、曲線との差 −x(x−1)2 から交点と上下関係を同時に確認できる。面積では 0<x<1 で直線が上側なので、積分する差の符号を逆にしないこと。接点 x=1 が重解で、原点 x=0 は別の交点であることを区別して書きたい。
冊子PDFで見る京大の微分の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 1988年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。