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京都大学 1989年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

座標平面において,正方形D={(x,y)x1,y1}を考える.

行列(abcd)で表される一次変換fによってDDの部分集合に
うつされるための必要十分条件はa+b1かつc+d1であることを証明せよ.

難易度4/ 10計算量3/ 10目安12

行列方程式・不等式 必要十分条件、絶対値の処理、範囲評価

方針

一次変換で (x,y)(ax+by,cx+dy) に移るので、正方形 D のすべての点について2つの成分の絶対値が 1 以下になる条件を調べればよい。十分性は三角不等式で直ちに出る。必要性では、xy をそれぞれ a, b の符号に合わせた頂点に取ることで、ax+by の最大値が a+b になることを示す。第2成分も同じ形で処理し、2条件を合わせて必要十分条件にする。

解答

行列で表される一次変換を f(x,y)=(ax+by,cx+dy) と書く。正方形 Dx1,y1 を満たす点全体である。したがって f(D)D の部分集合であることは、すべての (x,y)D に対して ax+by1,cx+dy1 が成り立つことと同値である。

まず第1成分を考える。x1, y1 ならば ax+byax+bya+b である。よって a+b1 ならば、すべての (x,y)Dax+by1 となる。

逆に、すべての (x,y)Dax+by1 が成り立つとする。a0 のときは x=a/aa=0 のときは x=1 と取る。同様に、b0 のときは y=b/bb=0 のときは y=1 と取る。この点は D に属し、ax+by=a+b となる。したがって a+b=ax+by1 でなければならない。これで第1成分に関する必要十分条件は a+b1 である。

同じ議論を第2成分 cx+dy に適用すると、すべての (x,y)Dcx+dy1 となるための必要十分条件は c+d1 である。

以上より、f(D)D であるための必要十分条件は a+b1かつc+d1 である。

別解。ax+by の最大値は、4つの頂点 (1,1),(1,1),(1,1),(1,1) を調べればよい。実際、ax+byax+by(ax+by) の大きい方であり、それぞれの一次式は正方形の頂点で最大になる。4頂点での値から最大値は a+b である。同様に cx+dy の最大値は c+d であるから、同じ条件が得られる。

総評

正方形上の一次式の最大値を使う証明問題で、12分程度が目安である。十分性は三角不等式だけでよいが、必要性では「符号を合わせた頂点」を実際に選び、最大値 a+b を達成することを書く必要がある。第1成分と第2成分は独立に判定できるため、片方だけを詳しく示し、もう片方も同じ構造で結論を出すと答案が整理される。a=0b=0 のときも頂点の選び方が破綻しないようにしておくと安全である。

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出典: 京都大学 1989年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。