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京都大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

行列(1122)で表される1次変換をfとする.

(1) fによる全平面の像は直線l:2x+y=0であることを示せ.

(2) 平面上の点P(x,y)に対し,l上の点でPとの距離が最小となる点をQとし,
fによる像がQとなる点のうちで,原点との距離が最小となる点をPとする.
Pの座標(x,y)xyで表せ.

(3)P(x,y)に点P(x,y)を対応させる写像をgとする.
合成写像fgfおよびgfgを求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

行列ベクトル ベクトル成分計算内積の利用、計算整理

方針

変換 f(x,y)(xy,2(xy)) に移すので,得られる点全体は直線 l 上にある。逆に直線上の任意の点を作れることも確認する。g は,まず点 P を直線 l に直交射影し,次にその点へ移る点のうち原点に最も近いものを求める。最後は得られた g の式を用いて,二つの合成がそれぞれ fg に戻ることを直接計算する。

解答

(1)

(x,y)f により (X,Y) に移るとすると X=xy,Y=2x+2y=2(xy) である。したがって Y=2X すなわち 2X+Y=0 を満たす。逆に,直線 2X+Y=0 上の点は (X,2X) と書け,これは例えば (X,0)f で移した点である。よって f により得られる点全体は l:2x+y=0 である。

(2)

次に g を求める。直線 l は原点を通り,方向ベクトルを (1,2) と取れる。点 P(x,y) から l へ下ろした垂線の足を Q とすると,Q(1,2) 方向への正射影であるから Q=x2y12+(2)2(1,2)=x2y5(1,2) である。したがって Q=(x2y5,2(x2y)5) である。 f によって Q に移る点 (u,v)uv=x2y5 を満たす。この直線上で原点からの距離 u2+v2 が最小となる点を求める。条件 uv=q,q=x2y5 のもとで考えると,直線 uv=q に原点から垂線を下ろした足が最短の点である。直線の法線方向は (1,1) なので,その点は (u,v)=(q2,q2) である。したがって g(x,y)=(x2y10,x2y10) となる。

(3)

最後に合成を確認する。u=xy とおくと f(x,y)=(u,2u) である。これに g を作用させるとg(f(x,y))=g(u,2u)=(u2(2u)10,u2(2u)10)=(u2,u2)である。さらに f を作用させると f(u2,u2)=(u,2u)=f(x,y) となる。よって fgf=f である。

また g(x,y)=(v,v),v=x2y10 とおくと f(g(x,y))=f(v,v)=(2v,4v) である。さらに g を作用させると g(2v,4v)=(2v2(4v)10,2v2(4v)10)=(v,v) である。したがって gfg=g も成り立つ。

総評

最初に f(x,y)=(xy,2(xy)) とまとめると,直線 2x+y=0 が自然に現れる。g の定義は二段階であり,点 P を直線 l に直交射影すること,そのあと f でその点へ移る点のうち原点に最も近いものを選ぶことを分けて処理するとよい。得られた g は一次式なので,最後の合成関係は文字を置いて直接計算すれば確認できる。

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出典: 京都大学 1991年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。