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京都大学 1987年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第2問

行列A=(abcd)が次の条件(*)をみたすのは,
abcdにどのような関係があるときか.

(*) 「(x,y)(z,w)が直交するベクトルであれば,(x,y)A(z,w)Aも直交するベクトルである.
ただし,零ベクトル(0,0)はどんなベクトルとも直交するものとみなす.」

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

行列ベクトル 特殊化、内積の利用必要十分条件

方針

まず(1,0)(0,1)、次に(1,1)(1,1)を選んで必要条件を得る。十分性は像の内積を展開し、得た2条件のもとで元の内積の定数倍になることを示す。

解答

(1,0)(0,1)は直交する。その像は(a,b)(c,d)なのでac+bd=0(1)が必要である。また(1,1)(1,1)も直交し、その像は(a+c,b+d)(ac,bd)である。内積を0とするとa2+b2=c2+d2(2)を得る。

逆に(1),(2)を仮定する。λ=a2+b2=c2+d2とおく。任意の行ベクトルu=(x,y),v=(z,w)について(uA)(vA)=λ(xz+yw)+(ac+bd)(xw+yz)=λ(uv).したがってuv=0なら像の内積も0である。零行列の場合もこの式に含まれる。よって必要十分条件はac+bd=0,a2+b2=c2+d2である。

別解

解法2:任意のベクトルとその垂直ベクトルを使う

方針

任意の u=(x,y) に垂直な v=(y,x) を選ぶ。像の内積を x,y の二次式として展開し、恒等的に0となる係数条件を読む。

解答

任意のベクトルu=(x,y),v=(y,x)を考える。この二つは常に直交する。行列 A による像はuA=(xa+yc,xb+yd),vA=(ya+xc,yb+xd)である。その内積を展開すると(uA)(vA)=(ac+bd)(x2y2)+(c2+d2a2b2)xy.これが全ての実数 x,y で0となるための必要十分条件はac+bd=0,a2+b2=c2+d2である。

実際、この二条件が成り立てば上の式は全ての x,y で0となり、任意の非零ベクトルに垂直なベクトルは v の実数倍で表されるから、直交する二つのベクトルの像も直交する。零ベクトルを含む場合も像が零ベクトルなので条件を満たす。よってこれが必要十分条件である。

総評

難度6、計算量6、目安時間20分。二組の具体的な直交ベクトルから必要条件を出す方法と、任意の u,(y,x) を用いる恒等式の2通りで必要十分性を確認した。零行列・零ベクトルも条件内に含まれる。行列を用いたのは原問題が明示する本問だけである。

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出典: 京都大学 1987年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。