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京都大学 1990年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

N角形の頂点に0,1,,N1と時計まわりに番号がつけてある.
頂点0を出発点とし,サイコロを投げて出た目の数だけ頂点を時計まわりに移動し,着いた頂点の番号をXとする.
次にもう1度サイコロを投げて出た目の数だけ,頂点Xから時計まわりに移動し,着いた頂点の番号をYとする.
このようにして定めた確率変数XYについて

(1) N=5,6のそれぞれの場合について,XYは互いに独立か.

(2) XYが互いに独立となるN (N3)をすべて求めよ.

ただし確率変数XYが互いに独立であるとは,X=iとなる確率P(X=i)
X=iかつY=jとなる確率P(X=i,Y=j)との間に,次の等式(*)が任意のij (0i,jN1)について
成り立つことである.

(*) P(X=i,Y=j)=P(X=i)P(Y=j)

難易度7/ 10計算量6/ 10目安28

確率整数 数え上げ、独立性の利用、剰余分類

方針

出目を法 N の剰余として数え、独立性は条件付き確率で判定する。N=5(X,Y)=(1,2) の一組で等式が破れることを示し、N=6N=3 は1回の出目の剰余が一様であることから独立性を示す。残る N=4N7 では、それぞれ具体的な一組を選んで独立条件が破れることを示し、全体を分類する。

解答

(1)
まず N=5 を考える。X=1 となるのは、1回目の出目が 1 または 6 のときなので P(X=1)=26=13 である。また Y=2 となるには、2回の出目の和が 5 で割って 2 余ればよい。和が 2712 となる出方はそれぞれ 161 通りで、合計 8 通りである。したがって P(Y=2)=836=29 である。

一方、X=1 かつ Y=2 となるには、1回目の出目も2回目の出目も 5 で割って 1 余ればよい。これは 22=4 通りなので P(X=1,Y=2)=436=19 である。しかし P(X=1)P(Y=2)=1329=227 であり、19 と等しくない。よって N=5 では独立でない。

次に N=6 を考える。1回の出目は法 60,1,2,3,4,5 の各剰余を一様にとる。したがって X=i が与えられても、2回目の出目の剰余を加えた Y は各値を確率 1/6 でとる。よって任意の i,j について P(X=i,Y=j)=P(X=i)P(Y=j) が成り立つ。したがって N=6 では独立である。

(2) N=3 のとき、1回の出目の剰余は 0,1,2 の各値を2通りずつとるので一様である。N=6 の場合と同じ理由で、X,Y は独立である。 N=4 のとき、X=0 となるのは1回目の出目が 4 のときだけなので P(X=0)=16 である。また Y=0 となるには2回の出目の和が 4812 のいずれかであり、出方は 3+5+1=9 通りである。よって P(Y=0)=936=14 である。一方、X=0,Y=0 となるには1回目も2回目も 4 でなければならないので P(X=0,Y=0)=136 である。これは P(X=0)P(Y=0)=1614=124 と等しくない。したがって N=4 では独立でない。 N=5 は (1) で独立でないことを示した。

最後に N7 とする。このとき X=1 となるには1回目の出目が 1 であるしかない。したがって X=1 が分かっているもとで Y=2 となるには、2回目の出目が 1 であればよいから P(Y=2X=1)=16 である。

一方、Y=2 となる出方を数えると、2回の出目の和が 2 または N+2 になる場合である。N=7 では和 21 通り、和 94 通りで、合計 5 通りである。N8 ではこれ以下である。したがって P(Y=2)536<16 である。よって P(Y=2X=1)P(Y=2) となり、N7 では独立でない。

以上より、X,Y が独立となる N3N=3, 6 である。

総評

難度7、計算量6。剰余分布の一様性がある場合だけ独立になり、そうでない場合は具体的な一組で独立条件を破る、という方針を貫くと整理しやすい。想定時間は28分程度。N=5N=4 は反例の確率計算、N7 は条件付き確率 P(Y=2X=1) と周辺確率 P(Y=2) の不一致が得点源である。小さい N と大きい N を混ぜて論じると漏れやすいので、場合分けを明確に書きたい。

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出典: 京都大学 1990年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。