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京都大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第5問

袋の中にN個の白玉と2個の赤玉がある.
「袋の中の(N+2)個の玉から無作為に1個を取り出し,つぎに(外部にある)白玉を1個袋に入れる」という試行をくり返す.

n回目の試行で赤玉をとり出す確率をPnとする.

n回目の試行を行なう前,袋の中に赤玉が1個あり,かつn回目の試行で赤玉をとり出す確率をPnとする.

n回目の試行を行なう前,袋の中に赤玉が2個あり,かつn回目の試行で赤玉をとり出す確率をPnとする.

従ってPn=Pn+Pnが成立している.

(1) Pn+1Pn+1PnPnで表す式(漸化式)を求めよ.

(2) Pn+1Pnで表す式を求め,Pnを求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

確率数列 確率漸化式状態分類漸化式の変形

方針

n 回の試行の直前に赤玉が何個残っているかで場合を分ける。PnPn は「その状態にあり,さらに第 n 回で赤を引く」確率なので,まず直前の状態確率に戻してから推移を数える。二つの漸化式を足すと Pn=Pn+Pn の漸化式が一気に閉じる。

解答

(1)

n 回の試行の直前に赤玉が一個残っている確率を An,二個残っている確率を Bn とおく。このとき,袋の中の玉の総数は常に N+2 個であるから Pn=1N+2An,Pn=2N+2Bn である。したがって An=(N+2)Pn,Bn=N+22Pn と表せる。

まず,第 n+1 回の直前に赤玉が一個残っている場合を考える。これは,第 n 回の直前に赤玉が一個残っていて白玉を引く場合,または赤玉が二個残っていて赤玉を引く場合である。よって An+1=AnN+1N+2+Bn2N+2 である。したがって Pn+1=1N+2An+1=N+1N+2Pn+1N+2Pn を得る。

次に,第 n+1 回の直前に赤玉が二個残っているためには,第 n 回の直前にも赤玉が二個残っていて,第 n 回に白玉を引く必要がある。白玉は N 個であるから Bn+1=BnNN+2 であり,したがって Pn+1=NN+2Pn である。

(2)

ここで Pn=Pn+Pn とおくと,上の二つの式を足してPn+1=Pn+1+Pn+1=N+1N+2Pn+1N+2Pn+NN+2Pnである。よって Pn+1=N+1N+2(Pn+Pn)=N+1N+2Pn となる。

初回は赤玉が二個残っている状態から始まるので P1=2N+2 である。したがって等比数列の形で Pn=2N+2(N+1N+2)n1 を得る。

総評

この問題では,赤玉を引いたあとに同じ玉を袋に戻さないため,赤玉の残り個数が変化する。PnPn は単なる状態確率ではなく,第 n 回に赤を引く確率まで含んでいるので,いったん AnBn を導入して整理すると誤りにくい。二つの状態の漸化式は少し形が違うが,足し合わせると係数がそろい,Pn が等比数列になるところがこの問題の中心である。

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出典: 京都大学 1991年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。