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京都大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

空間において,平面αに含まれる凸四辺形ABCDαに含まれない点Pを考える.
PABPBCPCDPDAの重心をそれぞれEFGHとする.
また,線分ABBCCDDAの中点をそれぞれIJKLとする.

(1) 四辺形EFGHと四辺形IJKLはどちらも平行四辺形であることを示せ.
さらに,これらは次の意味で相似である,すなわち正の定数kが存在して
EF=kIJFG=kJK
GH=kKLHE=kLIであることを示せ.

(2) 四辺形ABCDと,平行四辺形EFGHの面積の比を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安20

ベクトル図形と方程式 ベクトル成分計算、面積比、図形的解釈

方針

重心と中点を位置ベクトルで表し,辺ベクトルを直接比較する。EF=(CA)/3IJ=(CA)/2 のように対応する辺がすべて同じ向きで比 2/3 になるため,両方が平行四辺形で相似であることが分かる。面積は,中点四辺形 IJKL が元の凸四辺形 ABCD の半分であることを示し,さらに相似比 2/3 の2乗を掛ける。

解答

(1)

位置ベクトルを点名と同じ文字で表す。三角形の重心よりE=P+A+B3,F=P+B+C3,G=P+C+D3,H=P+D+A3である。したがってEF=FE=CA3,FG=GF=DB3である。同様にGH=AC3=EF,HE=BD3=FGであるから,四辺形 EFGH は平行四辺形である。

また,中点の定義からI=A+B2,J=B+C2,K=C+D2,L=D+A2である。よってIJ=CA2,JK=DB2,KL=AC2=IJ,LI=BD2=JKとなる。したがって IJKL も平行四辺形である。

さらに対応する辺を比べるとEF=23IJ,FG=23JK,GH=23KL,HE=23LIである。よって問題文の意味で相似であり,k=23 である。

(2)

まず中点四辺形 IJKL の面積を調べる。対角線 AC を引くと,三角形 ABCI,J はそれぞれ AB,BC の中点なので IJAC,IJ=12AC である。同様に三角形 ADCLKAC,LK=12AC である。したがって IJKL は,底辺を AC/2 とし,高さが三角形 ABCADC の高さの和の半分になる平行四辺形である。ゆえに [IJKL]=12[ABCD] である。

(1) より EFGHIJKL の相似比は 2/3 なので,面積比は (23)2=49 である。したがって [EFGH]=49[IJKL]=4912[ABCD]=29[ABCD] となる。

よって求める面積の比は [ABCD]:[EFGH]=9:2 である。

別解

解法2

方針

辺の中点を結ぶ四辺形に対し、中心P、比2/3の相似変換を考える。中点四辺形が平行四辺形で面積が元の半分であることと合わせる。

解答

(1) (1) 中点I,J,K,Lに対してPI=PA+PB2である。一方、三角形PABの重心EについてPE=PA+PB3=23PI.同様にPF=23PJ,PG=23PK,PH=23PL.したがって、中心P、比2/3の相似変換はIE,JF,KG,LHと移す。

中点連結定理によりIJAC,JKBD,KLAC,LIBDだからIJKLは平行四辺形である。相似変換の像EFGHも平行四辺形で、対応する有向辺はすべて2/3倍となる。

(2) (2) また、中点四辺形の面積は元の凸四辺形の半分である。相似比の2乗を掛ければ[EFGH]=(23)2[IJKL]=4912[ABCD]=29[ABCD].ゆえに[ABCD]:[EFGH]=9:2.

総評

難度は10段階中5、計算量は10段階中4。目安時間は16分から20分。重心と中点を位置ベクトルで表すと,点 P の項が辺ベクトルの差で消え,平面外にあることを意識せずに処理できる。相似比 2/3 は辺の比であり,面積比では2乗する点に注意する。中点四辺形の面積が元の半分であることを,対角線 AC を使って一言証明しておくと,(2) の根拠が明確になる。 2解法の結論を照合し、定義域、端点、必要十分性、等号条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式も併記している。

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出典: 京都大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。