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京都大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

f(x)xの整式,cは定数とする.
等式xx+1f(t)dt=cf(x)がすべてのxで成り立つならば,f(x)は定数であることを示せ.

難易度5/ 10計算量3/ 10目安10

積分数と式 式変形、恒等式比較、背理法

方針

f が0でない整式なら,次数を m,最高次係数を A として両辺の最高次から順に係数を比較する。移動積分 xx+1tmdt は最高次係数が1で,次の係数が m/2 になる。最高次係数から c=1 が決まり,次の係数を比べると m1 が矛盾するため,m=0 しか残らない。

解答

f(x) が0なら定数である。以下,f(x) は0でないとする。f の次数を m,最高次係数を A とし,f(x)=Axm+Bxm1+次数が m1 未満の項 と書く。ただし m=0 の場合はすでに定数なので,矛盾を出す部分では m1 と仮定する。

まずxx+1tmdt=(x+1)m+1xm+1m+1=xm+m2xm1+次数が m1 未満の項である。また xx+1tm1dt=xm1+次数が m1 未満の項 である。したがって左辺はxx+1f(t)dt=Axm+(B+mA2)xm1+次数が m1 未満の項となる。

一方,右辺は cf(x)=cAxm+cBxm1+次数が m1 未満の項 である。まず xm の係数を比較すると,A0 より c=1 である。次に xm1 の係数を比較すると B+mA2=B となる。これは m1A0 に反する。よって m1 はありえず,m=0 である。

したがって f(x) は定数である。

別解

解法2

方針

与式を微分して差分方程式を作る。整式の最高次項と次の項を比較し、次数2以上を排除する。残る1次式は元の積分式へ代入して排除する。

解答

fが零多項式なら結論は明らかである。以下、次数をm1、最高次係数をA0とする。与式をxで微分するとf(x+1)f(x)=cf(x).左辺と右辺のxm1の係数はそれぞれmAcmAだからc=1である。

m2とする。f(x)=Axm+Bxm1+低次の項と書けば、f(x+1)f(x)=mAxm1+{m(m1)2A+(m1)B}xm2+低次の項,一方、f(x)=mAxm1+(m1)Bxm2+低次の項.係数比較からm(m1)2A=0となり矛盾する。よってm=1だけが残る。

f(x)=Ax+Bを元の式へ代入し、c=1を使うとxx+1(At+B)dt=Ax+B+A2=f(x).したがってA=0となり、1次式にもならない。以上よりfは定数である。

総評

難度は10段階中5、計算量は10段階中3。目安時間は10分から14分。最高次係数だけを比べると c=1 が分かるだけなので,次の係数まで比較する必要がある。xx+1tmdt の展開で m/2 が現れるところが答案の中心であり,ここを省くと矛盾の根拠が弱くなる。f=0 の場合を最初に処理しておけば,最高次係数を安心して割れる。 2解法の結論を照合し、定義域、端点、必要十分性、等号条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式も併記している。

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出典: 京都大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。