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京都大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第5問

nを自然数とする.
さいころを2n回投げてn回以上偶数の目が出る確率をpnとするとき,
pn12+14nであることを示せ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

確率場合の数 数え上げ不等式評価、二項定理

方針

偶数の目が出る回数を X と見ると,X2n 回中の成功回数で,成功確率は 1/2 である。分布は n を中心に対称なので,P(Xn)1/2 に中央項の半分を足した値になる。あとは中央項 2nCn/22n1/(2n) 以上であることを,隣り合う比を使った帰納法で示す。

解答

2n 回のうち偶数の目が出る回数を X とする。1回のさいころ投げで偶数が出る確率は 1/2 なので P(X=k)=2nCk22n である。

奇数と偶数を入れ替える対応により,X=kX=2nk の確率は等しい。したがって P(X>n)=P(X<n) であり,1=P(X<n)+P(X=n)+P(X>n) から pn=P(Xn)=12+12P(X=n) を得る。すなわち pn=12+122nCn22n である。

ここで rn=2nCn22n とおく。示したいことは rn1/(2n) である。まず r1=24=12 なので成り立つ。次にrn+1rn=2n+2Cn+122n+222n2nCn=(2n+2)(2n+1)(n+1)214=2n+12n+2である。rn1/(2n) と仮定すると rn+112n2n+12n+2 であり,右辺は 2n+12n(2n+2)12n+2 を満たす。よって帰納法により,すべての自然数 nrn12n である。

したがってpn=12+12rn12+1212n=12+14nとなる。これで示された。

別解

解法2

方針

二項分布の対称性で中央項を分離する。中央二項係数の下界は、2n1個の集合の部分集合数を大きさ別に分け、最大の階級が平均以上であることから評価する。

解答

偶数の目の回数をXとする。分布の対称性よりpn=Pr(Xn)=12+12Pr(X=n)=12+122nCn22n.ここで2n1Ckk=n1,nで最大である。またk=02n12n1Ck=22n1で、項は2n個ある。最大項は平均以上だから2n1Cn122n12n.さらに2nCn=22n1Cn1なので2nCn22n12n.したがってpn12+14n.

総評

難度は10段階中5、計算量は10段階中4。目安時間は15分から18分。確率そのものを直接足し上げるより,二項分布の対称性で中央項だけを取り出すのが要点である。中央項の評価 2nCn/22n1/(2n) は一見細かいが,隣り合う比 (2n+1)/(2n+2) を書くと帰納法で短く処理できる。最後に中央項の半分が加わることを忘れないこと。 2解法の結論を照合し、定義域、端点、必要十分性、等号条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式も併記している。

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出典: 京都大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。