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京都大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

だ円E:x24+y2=1の部分集合E1E2を次のように定める.E1={(xy)Ex0,y0}E2={(xy)Ex0,y0}平面の1次変換fE1E2に移すものをすべて求めよ.

難易度7/ 10計算量5/ 10目安25

行列図形と方程式 座標設定図形的解釈、場合分け

方針

まず X=x/2,Y=y とおいて楕円を単位円に直す。この座標では E1 は第1象限の単位円弧,E2 は第2象限の単位円弧である。1次変換が円弧全体を円弧全体へ移すなら,単位円上の連続した無数の点をまた単位円上へ移すので,対応する変換は長さを保つ。したがって第1象限の円弧の端点2つが,第2象限の円弧の端点2つへ移る2通りだけを調べ,最後に元の x,y 座標へ戻す。

解答

X=x2,Y=y とおく。このとき楕円 x24+y2=1 は単位円 X2+Y2=1 に変わる。また E1 は第1象限の円弧,E2 は第2象限の円弧に対応する。

この新しい座標での1次変換を T とする。T は第1象限の単位円弧全体を第2象限の単位円弧全体へ移す。したがって,0θπ/2 に対して (cosθ,sinθ) を移した点は,常に単位円上にある。つまり,T(cosθ,sinθ)2=1 が連続した範囲の θ で成り立つ。この左辺は cosθ,sinθ についての2次式なので,単位円上で長さを保つ変換とみなせる。よって第1象限の円弧の端点 (1,0),(0,1) は,第2象限の円弧の端点 (1,0),(0,1) に対応する。

端点の対応は2通りである。

1つ目は (1,0)(1,0),(0,1)(0,1) の場合である。このとき (X,Y)(X,Y) である。元の座標では X=x/2Y=y だから (x,y)(x,y) となる。したがって行列は(1001)である。

2つ目は (1,0)(0,1),(0,1)(1,0) の場合である。このとき (X,Y)(Y,X) である。元の座標へ戻すと,新しい座標は X=Y=y,Y=X=x2 なので (x,y)(2y,x2) である。したがって行列は(021/20)である。

以上より,求める1次変換は(1001),(021/20)の2つである。

別解

解法2

方針

楕円を行列で単位円へ正規化する。円弧上で長さ1が保たれる条件を三角恒等式の係数比較で示し、直交変換の端点対応を全列挙する。

解答

列ベクトルz=(X,Y)T(x,y)=(2X,Y)を対応させる。元の1次変換を表す行列をM、正規化後の行列をT=(12001)M(2001)とする。第1象限の単位円弧上のzθ=(cosθ,sinθ)T(0θπ2)についてTzθ=1である。

Tの列ベクトルをu,vとすればu2cos2θ+2uvsinθcosθ+v2sin2θ=1が区間全体で成り立つ。端点とθ=π/4を代入してu=v=1,uv=0.よってTは直交変換である。

第1象限円弧を第2象限円弧へ移す端点対応は(1,0)(1,0),(0,1)(0,1),または(1,0)(0,1),(0,1)(1,0)の2通りだけである。元の座標へ戻すとM=(1001),M=(02120).

総評

難度は10段階中7、計算量は10段階中5。目安時間は22分から26分。楕円のまま係数を追うより,X=x/2Y=y で単位円に直すと構造が見える。円弧全体を円弧全体へ移すため,端点の対応が2通りに限られることが決め手である。最後に元の x,y 座標へ戻すとき,x=2X の係数を忘れると2つ目の行列の 21/2 が逆に崩れやすい。 2解法の結論を照合し、定義域、端点、必要十分性、等号条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式も併記している。

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出典: 京都大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。