方針
まず とおいて楕円を単位円に直す。この座標では は第1象限の単位円弧, は第2象限の単位円弧である。1次変換が円弧全体を円弧全体へ移すなら,単位円上の連続した無数の点をまた単位円上へ移すので,対応する変換は長さを保つ。したがって第1象限の円弧の端点2つが,第2象限の円弧の端点2つへ移る2通りだけを調べ,最後に元の 座標へ戻す。
解答
とおく。このとき楕円 は単位円 に変わる。また は第1象限の円弧, は第2象限の円弧に対応する。
この新しい座標での1次変換を とする。 は第1象限の単位円弧全体を第2象限の単位円弧全体へ移す。したがって, に対して を移した点は,常に単位円上にある。つまり, が連続した範囲の で成り立つ。この左辺は についての2次式なので,単位円上で長さを保つ変換とみなせる。よって第1象限の円弧の端点 は,第2象限の円弧の端点 に対応する。
端点の対応は2通りである。
1つ目は の場合である。このとき である。元の座標では , だから となる。したがって行列はである。
2つ目は の場合である。このとき である。元の座標へ戻すと,新しい座標は なので である。したがって行列はである。
以上より,求める1次変換はの2つである。
別解
解法2
方針
楕円を行列で単位円へ正規化する。円弧上で長さ1が保たれる条件を三角恒等式の係数比較で示し、直交変換の端点対応を全列挙する。
解答
列ベクトルにを対応させる。元の1次変換を表す行列を、正規化後の行列をとする。第1象限の単位円弧上のについてである。
の列ベクトルをとすればが区間全体で成り立つ。端点とを代入してよっては直交変換である。
第1象限円弧を第2象限円弧へ移す端点対応はの2通りだけである。元の座標へ戻すと
総評
難度は10段階中7、計算量は10段階中5。目安時間は22分から26分。楕円のまま係数を追うより,, で単位円に直すと構造が見える。円弧全体を円弧全体へ移すため,端点の対応が2通りに限られることが決め手である。最後に元の 座標へ戻すとき, の係数を忘れると2つ目の行列の と が逆に崩れやすい。 2解法の結論を照合し、定義域、端点、必要十分性、等号条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式も併記している。