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京都大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

ABCの3人が色のついた札を1枚ずつ持っている。
はじめに,ABCの持っている札の色はそれぞれ赤,白,青である。
Aがさいころを投げて,3の倍数の目が出たらABと持っている札を交換し,その他の目が出たらACと札を交換する。
この試行をn回繰り返した後に,赤い札をABCが持っている確率を,それぞれanbncnとする。

(1) n2のとき,anbncnan1bn1cn1で表せ。

(2) anを求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安25

確率数列 確率漸化式状態分類漸化式の変形

方針

赤い札の持ち主だけを状態として追う。3の倍数が出る確率は1/3,その他の目が出る確率は2/3なので,赤札がA,B,Cのどこにあるかで次の状態を書き分ける。(2)では3本の漸化式をそのまま解くより,合計an+bn+cn=1を使ってan+2だけの漸化式に落とすとよい。偶数番目と奇数番目で初期値が違うため,2つの等比数列として整理する。

解答

(1)
3の倍数の目は3,6の2通りなので,その確率は1/3である。その他の目が出る確率は2/3である。

赤い札がAにある状態から,次に赤い札がAに残ることはない。赤い札がBにあるとき,3の倍数が出ればABが交換して赤い札はAへ移り,その他の目ならACの交換なので赤い札はBに残る。赤い札がCにあるとき,その他の目なら赤い札はAへ移り,3の倍数ならCに残る。

したがって an=13bn1+23cn1 であり,さらに bn=13an1+23bn1 cn=23an1+13cn1 である。

(2)
初めは赤い札をAが持っているので a0=1,b0=0,c0=0 である。また1回後にはAは必ず赤い札を失うので a1=0 である。

(1) の式から,an+2anだけで表す。まず an+2=13bn+1+23cn+1 である。ここへ bn+1=13an+23bn,cn+1=23an+13cn を代入するとan+2=13(13an+23bn)+23(23an+13cn)=59an+29(bn+cn)である。常にan+bn+cn=1だから an+2=59an+29(1an)=13an+29 となる。したがって an+213=13(an13) である。

偶数番目について,um=a2m1/3とおくと um+1=13um であり,u0=a013=23 である。よって a2m13=2313m なので a2m=13+23m+1(m=0,1,2,) である。

奇数番目について,vm=a2m+11/3とおくと同じく vm+1=13vm であり,v0=a113=13 である。したがって a2m+113=13m+1 となり,a2m+1=1313m+1(m=0,1,2,) を得る。

別解

解法2

方針

2回の交換を1組として、赤札が A に戻る確率を現在位置ごとに求める。これにより an+2 の漸化式を直接作り、偶数列・奇数列を解く。

解答

(1)
赤札の現在位置から次の位置を追えばan=13bn1+23cn1,bn=13an1+23bn1,cn=23an1+13cn1.(2)
2回後に赤札が A にある確率を考える。
現在 A にあるときは、ABA または
ACA だからPr(AA in 2 steps)=19+49=59.現在 B にあるときは BBA の確率 2/9
現在 C にあるときは CCA の確率 2/9 である。
したがってan+2=59an+29(bn+cn)=13an+29.よってan+213=13(an13).a0=1, a1=0 を用いるとa2m=13+23m+1,a2m+1=1313m+1(m=0,1,2,).

総評

3状態の確率漸化式を,目的のanだけの2段漸化式へ圧縮する問題。難度は標準上位で,目安時間は20分から25分程度。(1)は赤札が今どこにあるかを場合分けして,交換される相手を正確に追うことが大切である。(2)ではan+bn+cn=1を使うとan+2=an/3+2/9にまとまり,偶数列と奇数列を別々に解けばよい。初期値a0=1a1=0を混同すると符号が逆になる。別解の2回まとめは,遷移の意味を確認しながら短く処理できる。

1段の状態遷移と2段遷移の2経路で an+2=an/3+2/9 を確認し、偶数・奇数の初期値を分けた。

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出典: 京都大学 1994年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。